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あんのん基金

平成29年11月

ミャンマー少数民族の平和構築のための寺と連携した「新しい教育支援」

認定NPO法人 地球市民ACTかながわ/TPAK

https://www.tpak.org

団体名:認定NPO法人 地球市民ACTかながわ/TPAK

 

事業名:ミャンマー少数民族の平和構築のための寺と連携した「新しい教育支援」

 

支援金額:35万円(2017年11月)

 

【団体紹介】

アジアの途上地域の子ども達が一人でも多く教育を受け、平和で明るい未来を開くことができるよう、タイ、ミャンマー、インドにおいて少数民族と農村部の子ども達と女性達の、教育と健康と自立のための支援活動を1993年より行っています。

そして、アジアの人々から学ぶ “共に支えあう思いやりの心” を通して、私たち自身が日本にいてもう一度自分の足元を見つめ直し本当の豊かさを取り戻すことができるよう、相互に地球市民社会の実現を目指しています。

TPAKは、アジアの3国で国際協力活動を行っています。いずれも、お金や物を供与する援助支援ではなく、TPAKが外部者として触媒となってコミュニティー全体の内発的発展と自立を促す協力活動を目的としています。 

 

【活動内容】

タイ 山岳少数民族の教育支援活動:

1993年より、チェンマイ県山岳少数民族の居住地域で教育支援活動を開始。自分の村に学校がない小中学生のための生徒寮7棟を建設。高校に進学する生徒のために町に寮の借り上げ40ヶ所。ウドンタニ・コンケン県で学校菜園100校など、24年間に15,000人以上の子ども達の教育支援を行ってきました。長年の成果として生徒の中から大学を卒業し、教師になって自分の村に戻ってくる者が毎年増加、現在30名が山岳部で教鞭をとっています。

 

ミャンマー 少数民族地域の「新しい教育支援(コミッティ・アプローチ)」:

2001年より、南シャン州の少数民族の居住区においてコミュニティー全体の内発的発展を促す国際協力として民族政府、寺、村人と協働し、小学校、中学校、クリニックなどの建設を33件行ってきました。また、タイでの成功を元に、2007年より高校寮を建設し高等教育への道を開き、2017年までに大学進学者が80名を越しています。大学進学者の多くが教師を目指しています。少数民族の子ども達が自らの未来を切り開くための教育支援を通じて、村全体が学校建設に参加する「新しい参加型教育支援(コミッティ・アプローチ)」の方式で、コミュニティーが内発的に自立していくことのできる開発を目的としています。

 

インド アウトカースト女性のための安全な村づくり:

古い慣習に縛られ家庭内でも社会的にも虐げられているアウトカーストの女性のエンパワーと、コミュニティー全体のセーフティネットの構築を目的としています。女性蔑視と、家庭内や地域で暴力の被害に遭っているインド北東部ウッタラカンド州のアウトカースト女性を中心に、結婚する前の思春期女性にリーダー育成研修を行い、女性たち同士で助け合うシステムの構築、また男性の理解促進のためのコミュニティー作りなど、地域全体が女性を大切にする意識を持つようセーフティネット構築プロジェクトの中から、学校に復学や職を得た女性や、女性を守る男性グループが結成されるなどの成果が出ています。

 

日本:

平和社会構築の担い手となる次世代リーダーの育成として小~大学での国際協力講座やボランティア講座の開催、東日本大震災で津波被害に遭った保育園の園舎再建支援などを行っています。これらの活動を通じて、日本の青少年が平和社会を構築するため、地球市民意識を持って途上地域と双方向な学びあい・支え合いができるよう、真のグローバル人材育成活動を目指しています。10~90代の老若男女が年間延べ3,000人以上ボランティアとして活躍しています。

 

【支援事業について】

事業概要:

ミャンマーの「平和構築」に向けての最大の課題は、少数民族地域と中央ビルマ族地域との格差の存在です。この中でも教育の格差是正は、喫緊の課題です。

この事業では、「コミッティ・アプローチ」という新しい参加型手法を用いて、寺と村人で構成されるコミッティ(委員会)を組織し、地域住民が主体となる中学校建設を行います。また、全村民が建設工程にボランティアとして関わる内発的プロジェクトとします。中学校進学者は、高・大学進学の道が開け、地域の教育の水準が格段に上がり、中央との格差を是正していきます。

 

期待される成果:

・中学校を建設することで当該村と周辺村の中学校進学率を100%にすることができる

・危険な幹線道路を通って遠方の他村の中学校に通わなくて済む

・耐久性がある堅固なブロック製とすることで安全で清潔な環境で教育を受けられる

・高校、大学への進学の道が開け、教師が育成される

・建設により政府公認校となることで教育大学を卒業した教員が派遣され教育の質が向上する

・コミッティが組織されることによってコミュニティーが団結し、さらなる自立的な開発につながる

 

実施体制:

本事業のテーマはPa-O民族機構(自治政府)との協働による「平和構築のための地域住民の組織化による地域の自立支援」です。

本事業では子どもの教育環境の整備・維持のために村の僧侶、長老、村長、若人衆による建設委員会(コミッティ)を組織し、村民が一致団結することによって、村民自らがプロジェクトに主体的に携わり協力関係を築くことが特徴です。そこに、経験豊富な当会現地調整員の指導と情報を得て、結成された建設委員会は、資機材購入から大工の選定、会計、工期管理、報告業務まで全てを行います。そして全村民がボランティアとして建設に参加するというコミュニティー全体が一丸となるプロジェクトです。

 

【社会へ向けて】

世界の平和を考えるのであれば、私たちはまず自分の足元を正し、幸せな社会のために自分自身を役立てていかなければなりません。私たち地球市民ACTかながわ/TPAKは、国際協力を富める国から貧しい国への一方通行の援助とは考えていません。国際協力事業を通じて、日本にいる私たちが途上国から学び、視野を広げ、本当の豊かさを取り戻すことができるよう、相互(インタラクティブ)に地球市民社会の実現を目指しています。

東南アジアは、多民族、多宗教の国家で形成されています。近年民主化に向けて歩みだしているミャンマーは135の民族を有し、近年に至っても紛争の絶えない国です。その中で子どもたちの教育は、主権者であるビルマ族の住む中央と少数民族の住む遠隔地との格差が大きく、そのことがまた次の紛争を生む火種になっています。しかし、学校舎の建設など単に供与するだけの支援を行えば、それは依存を生む結果となります。

私たちTPAKがミャンマーで行う国際協力「コミッティ・アプローチ」は、村人の持つ力を信じ、彼らの持つ伝統と宗教(仏教)を大切にし、学校舎建設の資源を建設材料から人力も含め、できる限りを地域で調達し、村全体が協働して完成させることによってコミュニティーの内発的発展を即し、自律的で持続的な開発につなげていくことができます。この効果を隣村、地域、他民族、国全体へと伝播させていけば、ミャンマーの国を底から支える力となって、平和国家、平和社会の礎となるはずです。

このことにより、ミャンマーの抱える「少数民族」と「教育」の格差の二つの課題が「平和構築」に向けて同時に解決されていくことになります。

 

  

将来、完成した中学校に通う予定のターヤーコン村の子ども達

 

  

ターヤーコン村の学校建設委員会メンバー

 

 

少数民族の居住区の一般的な竹製の小学校