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あんのん基金

平成30年11月

ミャンマー少数民族村落の保育園建設を通した内発的開発

認定NPO法人 地球市民ACTかながわ/TPAK

団体名:認定NPO法人 地球市民ACTかながわ/TPAK
 
事業名:ミャンマー少数民族村落の保育園建設を通した内発的開発
 
支援金額:30万円(2018年11月)
 
【団体紹介】
アジアの途上地域の子ども達が一人でも多く教育を受け、平和で明るい未来を開くことができるよう、タイ、ミャンマー、インドにおいて少数民族と農村部の子ども達と女性達の、教育と健康と自立のための支援活動を1993年より行っています。
そして、アジアの人々から学ぶ “共に支えあう思いやりの心” を通して、私たち自身が日本にいてもう一度自分の足元を見つめ直し本当の豊かさを取り戻すことができるよう、相互に地球市民社会の実現を目指しています。
TPAKは、アジアの3国で国際協力活動を行っています。いずれも、お金や物を供与する援助支援ではなく、TPAKが外部者として触媒となってコミュニティー全体の内発的発展と自立を促す協力活動を目的としています。 
 
【活動内容】
タイ 山岳少数民族の教育支援活動:
1993年より、チェンマイ県山岳少数民族の居住地域で教育支援活動を開始。自分の村に学校がない小中学生のための生徒寮7棟を建設。高校に進学する生徒のために町に寮の借り上げ40ヶ所。ウドンタニ・コンケン県で学校菜園100校など、24年間に15,000人以上の子ども達の教育支援を行ってきました。長年の成果として生徒の中から大学を卒業し、教師になって自分の村に戻ってくる者が毎年増加、現在30名が山岳部で教鞭をとっています。
ミャンマー 少数民族地域の「新しい教育支援(コミッティ・アプローチ)」:
2001年より、南シャン州の少数民族の居住区においてコミュニティー全体の内発的発展を促す国際協力として民族政府、寺、村人と協働し、小学校、中学校、クリニックなどの建設を33件行ってきました。また、タイでの成功を元に、2007年より高校寮を建設し高等教育への道を開き、2017年までに大学進学者が80名を越しています。大学進学者の多くが教師を目指しています。少数民族の子ども達が自らの未来を切り開くための教育支援を通じて、村全体が学校建設に参加する「新しい参加型教育支援(コミッティ・アプローチ)」の方式で、コミュニティーが内発的に自立していくことのできる開発を目的としています。
インド アウトカースト女性のための安全な村づくり:
古い慣習に縛られ家庭内でも社会的にも虐げられているアウトカーストの女性のエンパワーと、コミュニティー全体のセーフティネットの構築を目的としています。女性蔑視と、家庭内や地域で暴力の被害に遭っているインド北東部ウッタラカンド州のアウトカースト女性を中心に、結婚する前の思春期女性にリーダー育成研修を行い、女性たち同士で助け合うシステムの構築、また男性の理解促進のためのコミュニティー作りなど、地域全体が女性を大切にする意識を持つようセーフティネット構築プロジェクトの中から、学校に復学や職を得た女性や、女性を守る男性グループが結成されるなどの成果が出ています。
日本:
平和社会構築の担い手となる次世代リーダーの育成として小~大学での国際協力講座やボランティア講座の開催、東日本大震災で津波被害に遭った保育園の園舎再建支援などを行っています。これらの活動を通じて、日本の青少年が平和社会を構築するため、地球市民意識を持って途上地域と双方向な学びあい・支え合いができるよう、真のグローバル人材育成活動を目指しています。10~90代の老若男女が年間延べ3,000人以上ボランティアとして活躍しています。
【支援事業について】
事業概要:
ミャンマー南シャン州の少数民族パオ族の居住区ザレー村に、最大100名を収容できる保育園を建設する。  建設方法は、「コミッティ・アプローチ」*というTPAK独自の参加型開発の手法を用い、村人で構成されるコミッティ(委員会)を組織し、資金調達から建設作業までを地域住民主体で行う。この経験により、貧困から抜け出すことのできない少数民族の村落の内発性を促し、自立的・持続的な開発へと村人自らが進み、希望ある地域を構築する力をつける。保育園の完成は公用語教育など様々な効果を生む。
事業の目的と効果:
目的:このようなミャンマーの少数民族の村落において、村人主体・主導の開発委員会を組織し、自立的開発を行うことで地域の力をつけ、村全体が協働して開発事業(保育園建設)を完成させることにより、村落の内発的発展を促進し、持続的な開発につなげる。
また、保育園が建設されることで、小学校入学前に公用語であるミャンマー語のプレ教育を実施できる。
「コミッティ・アプローチ」の効果:人的資源を含むできる限りの資源を地域で調達し、外部者(当会)の情報提供や評価を得て、開発と共に村の人材が育成されていく。建設資金の調達も一部を村全体が協働で行い、村落の経済活動にもつながる。開発委員会が独自に保育園の建設とその後の運営を行い、小学校や寮建設などさらに継続する開発への内発的発展につながる。
「保育園の建設」の効果: 堅固で衛生的な保育園舎が完成することで子ども達が安全に保育され、公用語の習得により小学校中退率を減少させ、中学高校から高等教育への道を開くことで、ビルマ族との教育格差の是正になる。また、年長の兄姉が子守のために学校を休むことがなくなり、小学校出席率が上がり、学力が向上する。
親は、安心して農作業ができるようになり、生産性が上がる。幼児を畑に連れて行かなくて済み、けがや虫刺され、蛇などの危険から守ることができる。
事業内容:
この事業では、「コミッティ・アプローチ」という参加型手法を用いて、全村民が資金調達と建設工程にボランティアとして関わり、保育園を建設する。
①「コミッティ・アプローチ」方式により村落に開発委員会を組織する。
・僧侶、村長、長老衆のほか平等に選ばれた男女による開発委員会を組織し、合議制により活動を進める。
②堅固で衛生的な保育園舎を建設する。
・全村民が野菜を供託して基金を設立し、村人による基礎工事を実施する。
・当会からの資金と情報の提供、指導・調整などを受けて、資機材購入、大工選定、会計管理、工期管理、報告業務まで全てを開発委員会が主体的に行う。
・全長18m×奥行9m、トイレ、キッチン完備のブロック製の耐久性ある保育園舎を建設する。
・全村民が当番制のボランティアで建設に参加する。
③完成後の保育園の運営管理方法を当会が指導し、必要な情報を提供する。
・村が共同管理できる果樹や菜園など、村の運営基金作りの仕組みのノウハウを提供する。
・基金により保育園の運営管理費や教員給与を捻出する。
 
【社会へ向けて】
世界の平和を考えるのであれば、私たちはまず自分の足元を正し、幸せな社会のために自分自身を役立てていかなければならない。私たち地球市民ACTかながわ/TPAKは、国際協力を富める国から貧しい国への一方通行の援助とは考えない。国際協力事業を通じて、日本にいる私たちや若者たちが途上国から学び、視野を広げ、本当の豊かさを取り戻すことができるよう、相互(インタラクティブ)に地球市民社会の実現を目指している。
東南アジアは、多民族、多宗教の国家で形成されている。近年民主化に向けて歩みだしているミャンマーは135の民族を有し、近年に至っても紛争の絶えない国である。その中で子どもたちの教育は、主権者であるビルマ族の住む中央と少数民族の住む遠隔地との格差が大きく、そのことがまた次の紛争を生む火種になっている。しかし、学校舎の建設など単に供与するだけの支援を行えば、それは依存を生む結果となる。
私たちTPAKがミャンマーで行う国際協力「コミッティ・アプローチ」は、村人の持つ力を信じ、彼らの持つ伝統と宗教(仏教)を大切にし、学校舎建設の資源を建設材料から人力も含め、できる限りを地域で調達し、村全体が協働して完成させることによって村落の内発的発展を即し、自律的で持続的な開発につなげていくことができる。この効果を隣村、地域、他民族、国全体へと伝播させていけば、ミャンマーの国を底から支える力となって、平和国家、平和社会の礎となるはずである。
このことにより、ミャンマーの抱える「少数民族」と「教育」の格差の二つの課題が「平和構築」に向けて同時に解決されていくことになる。
この活動は市民により支えられています。
世界の平和と、日本でもみんなの幸せが自分の幸せと感じられる社会の実現のために応援いただける方を募集しております。何卒よろしくお願い申し上げます。

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