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日蓮宗メールマガジン5月号

【今月の法話】

『かけがえのない いのち』

『いのちの期限 4月27日 里親募集!』保健所で保護されている野良犬の写真と共に張り出されている一枚のポスター。里親が見つからなければこの犬は殺処分されてしまう。

今、日本では4割以上の家庭がペットを飼っている。家族の一員として大切にしている飼い主がたくさんいる一方で、一年間に犬13万2238匹、猫23万1697匹が殺処分されている。

ペットショップのガラスの向こうにまるで物のように陳列されている仔犬や仔猫を見て、そのかわいさに心を揺さぶられてしまう。ガラスケースの罠にひっかかり、最期まで飼う事が出来るかどうかを考えずに衝動買い。

しかし、世話が出来ない、家族になじめないなど飼い主側の身勝手な都合で物を捨てるように捨ててしまう。売る側も犬や猫のいのちを金儲けの商品としか見ておらず、自分の利益ばかり追い求め、ただ仔犬を産ませる為だけに飼育し産めなくなれば捨てるという繁殖業者も少なくないらしい。

捨てられた動物たちは人間の身勝手さを怒り憎んでいることでしょう。

なぜ私達人間は自分勝手で我儘なのか。それは身心を苦しめる煩悩がある為。中でも根源である三毒(貪・瞋・痴)が心をむしばんでいる。自分の欲求のまま、むやみに、限りなく貪り(貪)、自分の思い通りにならないと怒り(瞋)、目の前の事ばかり見て後先を見ることが出来ない(痴)。そして煩悩は自分自身だけでなく自分以外の生きとし生けるものも苦しめる。この煩悩はどうすればよいのか。

聖愚問答鈔で日蓮大聖人様は「釈迦如来のご一生の教えをすりつぶし、ふるいにかけ、良いところだけを集めて一粒の良薬に丸めました。この良薬の効き目を知っている人も知らない人も服用する人はどうして煩悩の病が治らないことがあるでしょうか」とおっしゃられています。

良薬とはお題目「南無妙法蓮華経」です。妙法蓮華経の教えを心から信じ、ただ一心にお題目を唱える事で私達の心をむしばんでいる煩悩の病が治っていきます。そうすれば、今自分は貪りの心ではないか、怒りの心ではないか、愚かな心ではないかと、自分の心を見つめなおすことができます。

我儘や身勝手さがなくなれば、かけがえのないいのちを無駄にすることもなくなっていく事でしょう。合掌

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

12日 月例金曜講話、伊豆法難会
28日 いのりの日