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あんのん基金

平成30年1月

スーダン南コルドファン州における井戸維持管理の仕組みづくり及び技術研修支援

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター

団体名:特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター

 

事業名:スーダン南コルドファン州における井戸維持管理の仕組みづくり及び技術研修支援

 

支援金額:20万円(2018年1月)

 

【団体紹介】

JVCは、人々が自然と共存し、安心・安定して共に生きられる社会を築くことを目的とし、1)困難な状況にありながらも、自ら改善しようとする人々を支援し、2)地球環境を守る新しい生き方を広め、対等・公正な人間関係を創りだすことに取り組んでいます。そのために、環境保全と自給、及び人道・人権保障を基本にした「農村開発」「緊急救援」「平和活動」「市民のネットワークづくり」など、様々な活動を展開しています。

 

【活動内容】

2018年現在、カンボジア、ラオス、南アフリカ、タイ、アフガニスタン、パレスチナ、イラク、スーダン、南スーダン、コリア及び日本(東北支援)、合計11か国で活動を展開しています。活動の柱は、1)人々の暮らしを守るための「地域・農村開発」、2)命を守るための「人道支援」、3)対話を通じて平和な社会をつくる政策提言の3つで、人々が自然と共存し、安心・安定して共に生きられる社会を目指して包括的な取り組みを行っています。

 

【支援事業について】

■事業の背景 – 紛争による避難民流入と井戸設置~小規模な帰還の開始

現在の南スーダンと国境を接する南コルドファン州で2011年に始まった大規模紛争により、何万人もの人々が身の安全を求めて州都カドグリ市へと逃れました。避難民の流入により、井戸などの給水施設は不足し、地域住民との間で軋轢も生まれました。JVCはこれまでに12本のハンドポンプ井戸を新設しましたが、設置した井戸はそのまま永続的に使用できるものではなく、定期的な点検や消耗部品の交換修理などの保守管理が重要となります。

紛争勃発から6年以上が経過した現在も、政府軍と反政府軍間の和平合意は交わされていませんが、双方による自主停戦は1年以上続いており、情勢は安定しつつあります。隣接するリフ・アシャギ郡からカドグリに避難していた人々の一部は帰還を始めていますが、帰還先の給水施設は長期間放置されたため故障して修理不能になっているケースも多く、既存の井戸の3分の2以上が使用できる状況にないという国連の報告もあります。JVCは、安全な生活用水へのアクセス改善を目指し、帰還がみられる地域に新規井戸の設置を計画しています。

 

■JVCの活動

井戸を安定して継続的に利用するためには、定期的な点検や故障にともなう修理などが必要です。そこでJVCは、住民・避難民自身による維持管理のための仕組み作り支援を行っています。これまでにカドグリ周辺の約10地区で、住民・避難民自身が組織する「井戸管理委員会」の結成を支援し、同時に同委員会メンバーへの組織運営支援及び技術研修、工具の供与を実施してきました。これにより住民による井戸の維持管理は行われていますが、補修のために住民から徴収する積立金を適切に管理できていないといった問題や、修理技術の維持向上のための取り組みとして、運営研修や技術研修などを継続しています。

また、現在帰還が進んでいるリフ・アシャギ郡に活動を拡大し、手押しポンプ井戸を新設して、地域住民と協議のうえ井戸管理委員会を設置し、井戸管理の仕組みづくりを支援します。

 

【社会へ向けて】

停戦状態が1年以上続き情勢は安定しつつあるものの、和平への交渉は膠着状態が続き、多くの避難民は依然として故郷に帰ることができずにいます。一方、帰還がみられる一部の地域でも、井戸や学校、クリニックが破壊されているなど、厳しい状況が待ち受けています。

本事業では、住民自らが井戸の維持管理を行うことで安全な水へのアクセスの持続性を確保すると同時に、安定した生活に向けて人々が自立し改善する支援をしています。紛争が長引き国際社会の関心が薄れる中、日本の団体が活動を続けることは、人々を勇気づけることにもなります。

井戸研修のテキストブック

 

井戸補修実技訓練の様子

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