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あんのん基金

平成30年11月

インドハンセン病コロニーの人々が健やかに生きるための家屋建設・修繕プロジェクト

特定非営利活動法人わぴねす

団体名:特定非営利活動法人わぴねす
 
事業名:インドハンセン病コロニーの人々が健やかに生きるための家屋建設・修繕プロジェクト
 
支援金額:30万円(2018月11月)
 
【団体紹介】
わぴねすは、『ハンセン病回復者を含めた世界のあらゆる人々がいきいきわくわく生きることのできる社会を構築する。』を理念に、2011年に設立された団体です。当団体が行う活動を通して、マイノリティの人々が抱える被差別意識を内側から崩すとともに、マジョリティの人々の差別意識を改善し、受益対象者を含めたその事業に携わるすべての人々の他者を思い遣る心を育み、心豊かに生きるために必要な尊厳の獲得を実現することを目的としています。
 
【活動内容】
~インドハンセン病問題~
・新規患者数:約12万人/年間
・コロニー数(※)故郷を追い出された患者・元患者(回復者)及びその家族が寄り集まってできた定着村:800か所以上
・ハンセン病回復者数:約1200万人
一度罹患すると完治した後も、さらにその家族もアウトカーストとしての社会的位置づけとなり、今でも差別に苦しんでいます。
~インドハンセン病コロニーが抱える問題~
ハンセン病コロニーに住む人々(ハンセン病患者・元患者・その家族)は差別対象となることから、就労問題・教育問題・劣悪な居住環境・医療問題といった問題を抱えており、物乞いで糊口をしのいでいます。
《ワークキャンプ事業》
当団体のワークキャンプ事業では、年に2回、日本の大学生メンバーがインドハンセン病コロニーに2週間ほど泊まり込み、インフラ整備や差別解消の為の啓発活動などを中心としたプロジェクトを実施する活動です。
コロニーに泊まり込み、コロニーに住む人々と寝食を共にするからこそわかる、彼らのニーズ、想い、差別の歴史を聞き取り、一人一人を大切にしながら寄り添う形での活動を行っています。また、コロニーに日本人学生が泊まり込むことから、その様子を見た近隣住民が抱える差別意識や、コロニーの人々が抱える被差別意識の解消にも一翼を担っています。2018年10月からは、日本の大学生だけでなく、インド現地の大学生を活動に巻き込むべく、近隣大学での講演会やインド現地大学生徒のコロニー訪問を実施しています。
《就労支援事業》
職に就くことが困難なコロニーの人々を対象に、様々な就労支援を行っています。これまでには、キノコ栽培・販売トレーニング、アクセサリー制作トレーニング、TOTO(現地の電気式自動3輪タクシー)レンタル事業を行っています。2019年からは、養鶏事業を開始予定です。
《教育事業》
日本や世界の将来を担う若者の心を豊かに育むための事業です。日本国内のハンセン病療養所を訪問し、入所者の方の畑のお手伝いや、季節ごとのイベントなどを開催しています。また、国内の小学校や大学でのハンセン病講演会なども実施しています。
 
【支援事業について】
貧困のためコロニーの人々はビニールや廃材などで出来た屋根の家に住み、雨漏りなどの問題があっても修繕費用を拠出できない状態にあります。最低限度の暮らしを営むことすらままならない状況です。
≪背景と受益者が抱える課題≫
チャクドラハンセン病コロニー概略
(正式名称)インドウエストベンガル州ボルドワン県チャクドラハンセン病コ
ロニー
(人口)45名(内ハンセン病回復者8名)、家族数14
(職業)多くの人々が非常に安い賃金(約230円/日※)で季節工として生計を立てています。シーズンオフの際は、より安い賃金(約130円/日)で日雇い労働をしてしのいでおり、高齢者は物乞いをして暮らしています。(8~32円/日)
※1ルピー=1.63円(8月12日現在)
(課題)
【1.差別問題】周囲からの差別が未だに強く、祭などの際には参加の拒否や、市場で物の売買を拒否されたりすることもあります。
【2.インフラ問題】家屋の状態が悪く、手で触ると壁が崩れるような状態の家もあり、倒壊を恐れて日々眠れない人々もいます。雨が降るとほとんどの家が浸水する状態です。

【3.就労問題】安定した収入源がなく、電気などの最低限のインフラさえも満足に支払いができない状態です。
【4.教育問題】コロニーのほとんどの人々が非識字者であり、数人のみが読み書きができる状態です。
当プロジェクトでは、課題【2.インフラ問題】の家屋の改善を図るべく、2019年3月、9月の2回のワークキャンプにて2軒の家屋新築と12軒の家屋修繕を行います。(あんのん基金様からの支援金はその一部に充当します)
【社会へ向けて】
ハンセン病コロニーに住む人々は私たちと同じ人間です。
私たちと同じように、一人一人に人格があり、毎日を一生懸命生きている人々に他なりません。
それにもかかわらず過去から続く「遺伝病・不治の病であるといったハンセン病に対する誤った情報」「前世に悪いことをしたから発病するといった誤ったイメージ」「外見に現れる後遺症から、怖い・気持ち悪いという感情」が今でも彼らを苦しめています。それに加えて、ハンセン病に一度もかかったことのない回復者の子供たちも、「ハンセン病コロニー出身だから」という理由から、ひどい差別対象として今も扱われているのです。
私たちはそんな状況を打破するべく活動していますが、より多くの若者が活動に参加してもらえるような形で活動を展開し、差別や人権問題偏見について彼ら自身で考え、学ぶ機会を提供できればと考えています。そしてそんな若者が一人でも多くいる未来を作ることで、人類がまた同じ過ちを繰り返すことのないような世の中にしていければと願っています。

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