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日蓮宗メールマガジン4月号

「私の桜色」

4月に入り過ごしやすい季節になりました。
各地で桜が咲き誇り新生活を後押ししてくれています。
さて、この桜。毎年花の色味が違う のをご存じでしょうか?
色味の違い。それは桜が咲く前の「冬の寒さ」によって変わるのだそうです。
寒さが厳しくなると、私たち人間は 上着を羽織り、マフラーを巻き、手袋 をはめます。動物はというと海生哺乳 類は皮下に分厚い脂肪を身につけ、陸 上の動物は毛足を長くします。
では、樹木はというと・・・樹皮を 厚くするのです。そしてその樹皮の中 に、色の成分である色素が詰まってい ます。ですから、前の冬が寒ければ寒 いほど樹皮を厚くするので色素が多く なり、春に咲く花の色味が濃くなるの です。
私たちが今目にしている美しい桜色 は、実に厳しい寒さを耐え抜いて初め て生まれ出たものです。葉も花もない あの冬の桜の姿からは、生命力を感じ にくいかもしれません。しかし、その 姿の中で、命の息吹が着実に蓄えられ ているのです。
我々人間もまた、同じではないでし ょうか。人生にはいろいろな事が起こ
りますよね。嬉しい事や楽しい事もあ れば、哀しい事や辛い事もあります。 そして大切なのは、哀しい事や辛い 事が起きた時に、どのように向き合う
かなのだと思います。 (あぁ苦しい、辛い・・・何で自分が こんな目に・・・)と思いながら時が 過ぎるのをひたすら待つのか、それと も(あぁ苦しい・・・辛い・・・でも この経験がいつか幸せの種なる!)と 「信じて」立ち向かうのか。ここが人 生の分かれ道、なのかもしれません。
数々の苦労や苦心を乗り越えた方が 持つ深み。そしてそこから生まれる言 葉や振る舞いは、美しさとなって我が 身を飾ってくれます。そう、厳しき冬 を乗り越えた桜のように。
日蓮聖人が妙一尼という方に宛てら れたお手紙をご紹介しつつ、筆を置き ましょう。
「法華経を信ずる人は冬のごとし。 冬は必ず春となる。いまだ昔より 見ず聞かず、冬の秋と帰れる事を。」

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

5日 月例金曜講話
8日 花まつり
28日 立教開宗会