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今月の聖語

今月の聖語

法華経は正像よりも末法に
殊に利生有るべし

日蓮聖人御遺文「薬王品得意鈔」/
文永二年(一二六五年 聖寿四十四歳)

「末法の法華経」
法華経第二十三章薬王品は、十種の譬喩をもって法華経が諸経を超え出た最勝の経典、仏典の大王経であることを明し称揚する。
『薬王品得意鈔(やくおうぼんとくいしょう)』は、薬王品の十喩称揚を説明したもの。ここは十喩の「第三(だいさん)譬月(ひがつ)」の文で月と星との光の度合いを対比校量(たいひきょうりょう)した箇所。経文は「衆星の中に月天子最もこれ第一なるが如く、この法華経もまたまた是の如し。千万億種の諸の経法の中に於て最もこれ照明なり」。星屑無数に光るが、ただ一月の光に明を失う。「衆星は光ありと雖も月に及ばず」なのである。星と月の光輝の差異は比較を絶するように、法華経は諸経に超勝するとの宣言・断定である。
しかも法華経は「末法為正・末法為本」である。釈尊滅後の三時代中、正法・像法は傍で、末法が正しく法華経が流布し衆生が救済される特別の時代であると教諭する。それが掲示文の意味。