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今月の聖語

今月の聖語

地涌千界の菩薩は、
己心の釈尊の眷属なり。

日蓮聖人御遺文「観心本尊抄」/
文永十年(一二七三聖寿五二歳)

【本仏と私心】

地涌千界の菩薩は、己心の釈尊の眷属なり。
 
すべての人々が仏と成れると説かれた日蓮聖人は、弘安五年(一二八二)十月十三日に、ご命日を迎えられました。
そのとき、聖人の旅立ちを荘厳するように、季節はずれの桜の花が満開となりました。この故事によって、多くの寺院では、桜の造花を飾って「お会式」という法要が勤められます。
この桜は現在も、聖人の信仰へ誘うように咲き、私たちを癒し続けてくれています。
 
この聖語は、内なる釈尊がおられると説かれています。
この「私たちの心に釈尊がおられる」という信じ難い理念を感じるために、試みに「私」という漢字を見つめてみました。すると偶然にも「のぎ偏」から「一」と左右のはらいを除くと人偏となり、残ったのは「仏」という漢字でした。
 
つまり「私」の中には、すでに「仏」がいて下さったことになります。しかし、この「仏」は、なかなか現れません。余計なものに隠されているのです。
 
そこで聖人は、邪魔を除いて「仏」を咲かせるのが、お題目の信仰であると示されたのです。
そして本書は、私たちが、心に花を咲かせるような信心を立て、内に仏を感じ取れば、外に地涌の菩薩のご守護が現れると結ばれています。