ホーム>法話>今月の聖語>薬はしらねども服すれば病やみぬ

今月の聖語

今月の聖語

薬はしらねども服すれば病やみぬ

『報恩抄』/
建治二年(1276) 聖寿五十五歳

=社会の良薬=
 病気になると私たちは、医師の処方、あるいは市販の薬を飲んで治そうとします。
 今、多くの人々は、私たちの社会がどこか病んでいるように感じています。社会全体が健全にならなければ個人の真の幸福は訪れません。
 社会全体を治療する良薬は、私たち一人ひとりが、美しく正しい心を穏やかに保つことです。この心を求め始めたとき、安穏なる社会への道が必ず開けるのです。
 
『報恩抄』
 このご遺文は、日蓮聖人が、旧師道善房の訃報を受けられ、報恩回向のために撰述し、捧げられたものです。
 聖人は、多くの艱難辛苦を乗り越えられ、お題目の信仰を布教されましたが、本書にて、その功徳は全て故道善房の聖霊に集まると示されました。
 この報恩の信仰こそが日蓮聖人の魂の柱です。この柱は日蓮聖人の生涯を支え、今を生きる私たちを励まし続けています。
 
建治二年(一二七六)
聖寿五十五歳