心の散歩道

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友情

山陽新聞に「友だちがいたから今の自分がある」と題した少女の投書が載っていました。その中で彼女は「中学三年間吹奏楽部に所属していたが、自分の思うように吹くことができず大変悔しい思いをしていた。そんな時友だちが「一緒に頑張っていこう」と温かい言葉をかけてくれた。その友だちの一言一言に支えられて今の自分がある。だから友だちの顔を決して忘れることはできない」と書いてあり、心温まる思いがしました。

友だちと言っても、学校の友だち、仕事の友だち、趣味や遊びの友だちなど、色々な付き合いがありますが、お釈迦さまは三つの友情について三つのことが必要であるとおっしゃっています。

一つは「あやまちがあれば互いに戒めあうこと」。私達は時として、自分の間違いを大目に見てもらおうとしたり、友だちのあやまちに気づいていながら見て見ぬふりをしてしまいますが、友情には時として厳しさも必要です。

二つ目は「良いことは互いに喜び合うこと」。相手の楽しみや喜びをともに喜び、相手の苦しみや悲しみをともに悲しめる深い心が必要です。

三つ目は「苦しいこと辛いことがあっても決して見捨てないこと」。ここに友情の真価が現れるのです。困った時こそ支えとなり力と成ってくれる人が本当の友だちです。

余裕がある時は相手の立場を考えたり尽くしたりできますが、自分が苦しく辛い状況になると、物事をつい自己中心的に考えたり行動してしまいます。どんな時にも友情に応えられるようにするには、強い信念と勇気が必要です。友情がいかなる宝にも勝るものであることは、誰もが承知しています。人は本当に信頼しあえる友だちを求めています。相手からそれを得ることは容易でないかもしれません。むしろこちらから与えていくよう努力していきたいものです。

あなたは友だちにどのような心の宝を与えられますか。