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日蓮宗メールマガジン6月号

【今月の法話】

「しあわせ」

先日相談に来た方に「私は幸せになりたいんです」と言われました。
幸せと感じるものは人それぞれであり、非常に難しい問題です。
お話を伺うと「女性として幸せになりたい」と仰っていました。
この女性は事業を行い、利益を追求するあまり、心配している家族の意見を聞き入れなかったということでした。
その結果事業は失敗。家族からも見放され、ひとりぼっちになってしまったのです。たくさんの人に相談しても、結局は自分に都合の良い答えを選んでしまうのです。
最終的には、自分の都合で判断を下す訳ですから、親身になってくれた人たちはがっかりしてしまいます。やがては味方もいなくなってしまったようです。
幸せとは難しいものです。例えば金銭的に裕福でも、子孫がいなかったり、家庭が不和で幸せと感じない人もいます。その逆に子孫もいて家庭が円満であっても、金銭的に貧窮していて幸せと感じない人もいます。
しあわせって一体何でしょうか?その答えは、その人にとって「どんな状況下でも、念願する条件が満たされること」ではないでしょうか?
欲しかったものが、手に入ること。できなかったことが、出来るようになること。嫌だったことが、解消されること。
おおよそ、人間がしあわせと感じるものは以上のものではなないでしょうか?
でも本当のしあわせは「今ある状況下で、どれだけ満足を得られるかどうか」です。
「今ある状況下を満足していく」と言うところに、目を向けたとき、初めて嘆きから解放されるのだと思います。
この相談者は事業を行う上でも、妻という立場でも、母親という立場でも、覚悟が足りなかったのかも知れません。
利益のために事業仲間を信じることにしたならば家族の反対があるのに行うならば
家族を納得させる時間を取って、説得したらこのような結末にはならなかったのだと思われます。
それをせずに行うのであれば、家族に見捨てられても仕方ないでしょう。独りで生きていく覚悟で行うべきだったと思います。
選んだ答えに責任と誠意をもって、生きていかなければならないことは、日蓮大聖人の御生涯から学ぶことができるはずです。
日蓮大聖人が開目抄に「法華経を捨てゝ観経等について後生を期せよ。父母の首をはねん」との、他から強制的な改宗の責めにあったり、脅されても、題目を唱え抜いた御生涯でした。
それは自分が研鑽して選んだ答えに絶対の自信をもっていらっしゃったからです。
「智者に我義やぶられずば用いじとなり」自分が追及して至ったその答えを、優れた者によって覆らされない限り。自分が追及して選んだもの信じて生きて行けばよいのです。
大抵後悔する失敗は、その選ぶ方法も、選ぶための努力も、選ぶためのその時間も足りなかったときに起こるものです。
たくさんの意見に耳を傾け、冷静な答えにたどり着くには、信心が必要です。色々な角度から検討する目を持てるはずです。
悩み抜いて出した答えなら何の後悔があるのでしょうか。
私たちの誇りである日蓮大聖人は、今の努力を惜しまないで頑張りなさい。ということをお教え下さいました。
今月もまた強い信心を起こして御題目の御修行に励んで参りましょう。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

3日  月例金曜講話
15日  開闢会(於・身延山)
28日 いのりの日