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あんのん基金

平成25年7月10日

児童養護施設放射線対策コンクリート基礎取替工事(震災復興支援:福島)

特定非営利活動法人福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

団体名:特定非営利活動法人福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

事業名:児童養護施設放射線対策コンクリート基礎取替工事事業(東日本大震災復興支援:福島)

支援金額:10万円(平成25年7月)

【団体紹介】:特定非営利活動法人福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

福島県内に8施設ある児童養護施設には、保護者の適切な養育が受けられないために措置された児童が集団生活をしています。児童の中には発達障がいや病気をもつ場合もあり、施設が健康管理を行っています。しかし、職員のもともとのマンパワー不足もあり、放射線防護まで行政や市民に訴える余裕はありません。

福島第1原子力発電所事故による放射性物質の流出は止まっておらず、低線量被曝が続いています。外部被曝、内部被曝が長期に及ぶことによる健康被害は様々な形で出現することが予測されていますが、異常の早期発見により被害を最小限にとどめる必要があります。

今後、児童が健康被害を被った場合、事故後からの健康状態を証明し、適切な医療が受けられるためのデータの蓄積を行い、子ども本人が施設を対処しても、自ら証明できるようにしていく必要があります。

当法人は、このように児童が権利を奪われ、不利益な状況に陥る可能性が高い福島県内の児童養護施設に措置されている子どもを対象に、将来にわたっての健康を保障することを目的としています。低線量被曝下にさらされる子どもの健康被害の発生予防と早期発見・治療、及び、被曝を低減化する環境整備により児童養護施設の子どもの健全な成長発達に寄与し、また子どもを養育する職員の健康管理を行い、さらに広く市民に対して児童養護施設の子どもの健康に関する啓発活動を行っていきます。

【活動内容】

(1)福島県の児童養護施設入所者の健康状態の把握に係わる事業
(2)福島県の児童養護施設入所者の被曝に係わる事業
(3)福島県の児童養護施設入所者の健康教育に係わる事業
(4)児童養護施設に従事する看護職等の専門職の連携推進に係わる事業       (5)市民を対象とした児童養護施設の子どもの健康に関する啓発活動に係わる事業

【支援事業】:児童養護施設放射線対策コンクリート基礎取替工事事業

現在空間線量として報告されているのは、γ線を主に測定した数値です。遠くまで飛ばないα線、β線は測定が難しく、時間と費用がかかるため、今まで測定されていませんでした。しかしエネルギー量が大きいので近距離で被曝した場合の細胞レベルの悪影響(DNAの損傷)は大きくなります。幼児は細胞の活動が盛んな時期であり、それだけ放射性物質による影響を深刻に受けます。放射性物質による健康被害はすぐに現れるのではなく、時間をかけて様々な形で現れます。そのため今から予防して、被曝を避けていく必要があり、被曝対策はわかり次第、緊急にとらねばなりません。

このようにα線、β線は測定が難しく、表面汚染計(α線、β線、γ線測定)は高価でもあり普及していませんが、環境省の除染ガイドライン等で示されている測定方法です。

このガイドラインを参考に福島市内にある児童養護施設B園を測定したところ、幼児棟に隣接する園庭内に、空間線量(γ線)に比べて表面汚染計による線量が異常に高いところが見つかりました。これは事故後から累積した放射性物質が、幼児の背の高さほどの防油堤コンクリートの割れ目に入り込んでいるため表面の除染では除去できないことが、コンサルテーションを受けてわかったので、至急対応する必要があり、取り壊し改修工事のご支援を頂いたものです

この児童養護施設B園は、事故直後の2011年3月16日には1日約430μSVの線量があったと推測され、2ヶ月後の測定値では、幼児が生活する建物とその周辺の地表1センチの毎時1.5~5μSV、管理棟側溝は毎時33.0μSV(測定機器:空間線量計RAY-2000A型)でした。2012年4月から3ヶ月を要した敷地内除染後もホットスポットが多数みつかり、その後も放射線の空間線量率が、毎時0.23μSv(年間積算放射線量の限界とされる1mSvに達する時間当たりの環境放射線量の目標値)を超える状態が続いています。これまでも空間線量計(ガイガーカウンター:γ・β線測定)で園全体の計測を自主的に行い、また職員やボランティアによるホットスポットの除染を継続的に行ってきました。

本年3月に全国児童養護施設協議会「東日本大震災被災地支援金」により表面汚染計測器を購入でき、園内を測定したところ、幼児棟に隣接する冬季用の灯油タンクを囲うコンクリート基礎部分で、計数率2,000cpm(測定機器:表面汚染計測器RadEye B20:α・β・γ線を測定)前後の値を示しました。空間線量率は毎時0.3μSv(シンチレーションサーベイメータRadEye PDRS:γ線を測定,)前後であり、周辺の線量率と大差無いことから、表面汚染計測器で検知可能なβ線を放出する放射性物質が多いことが考えられます。施設内の同様の設備が8つあり、同様に表面汚染数値が高いこともあり、作り替える必要があると望むものの、特に幼児棟の園庭部分の2つについては、緊急に対処する必要があります。

今回は貴基金より同児童養護施設B園の幼児棟オイルタンク2機の防油堤のコンクリート基礎取替の改修工事費用483,000円のうち100,000円をご支援いただきました。

 

【社会に向けて】

児童養護施設の入所している子どもたちの措置理由は、半数以上が被虐待、親の病気です。入所措置は県知事の命令でされています。2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所事故後であっても、児童養護施設の子どもは放射線量が高いという理由では、移動が許されていません。そのため、児童養護施設に措置されている子どもたちは事故後2年以上、外部被曝、内部被曝を多量に受ける危険にさらされています。

災害は社会的弱者に、より大きなしわ寄せを及ぼします。当法人は児童養護施設に措置されている子どもと職員が外部被曝、内部被曝共に最小限となり、将来的に健康被害が発生せず、健康を意識した生活ができることをゴールとしています。

幼児は細胞の分化が盛んな時期であり、それだけ放射性物質による影響を受けやすいものです。この幼児が生活する範囲に、非日常の線量が存在し、かつ特に健康被害が大きいとされるβ線核種と想定される物質を取り除くことは、緊急に行われなければならないことです。

同園の幼児棟オイルタンク2機の防油堤のコンクリート基礎取替の改修工事費用はまだ足りません。コンクリートを作り替えないと、コンクリートに入り込んだ放射性物質は除去できませんし、この汚染は詳細な測定でしか判明しません。幼児の被曝量を低減するために費用が必要です。

◎寄付のお振込先
銀行名:ゆうちょ銀行 店名:二二九店(店番号229)
  預金種目:当座口座記号番号:02220-2-118684
  口座名称:福島児童養護施設の子どもを考える会
銀行名:三井住友銀行 店名:白山支店(店番号228)
  預金種目:普通預金 口座記号番号:6854164
  口座名称:福児童(フクジドウ) 代表 澤田和美
銀行名:大東銀行 店名:福島西支店(店コード047)
  預金種目:普通預金 口座記号番号:1324558
  口座名称:福児童(フクジドウ) 代表 澤田和美

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