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あんのん基金

平成26年3月31日

タイ-ラオス国境地域におけHIV/AIDS予防啓発およびケアプロジェクト

(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会

団体名:(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会

事業名:タイ-ラオス国境地域におけHIV/AIDS予防啓発およびケアプロジェクト

支援金額:20万円(25年3月)

【団体紹介】

ビジョン:Health for all! シェアは、すべての人々が心身共に健康に暮らせる社会を実現することを目指している。

ミッション:シェアは、厳しい境遇にある住民が自ら健康を改善することを、側面から支援する。また、シェアは、貧富の差や不公平を解消するために私たちに何ができるかを、日本社会に問いかけていく。

【活動内容】

【タイ】タイ-ラオス国境地域におけHIV/AIDS予防啓発およびケアプロジェクト

【カンボジア】プレイベン州スバイアントー郡保健行政区における子どもの健康増進プロジェクト

【東ティモール】エルメラ県、ディリ県の初等教育課程における保健教育推進プロジェクト

【日本】医療サービスを受けることが困難な在日外国人対象の無料出張健康相談会や医療電話相談、外国人結核患者療養支援のための医療通訳派遣、在日外国人コミュニティへの啓発など

【支援事業について】

サイ郡におけるHIV陽性者、男性同性愛者、ラオス人移住労働者を含む性産業従事者の健康が改善されることを目的としている。直接受益者はケマラート郡病院およびナーターン郡病院で治療を受けているHIV陽性者及びHIVに感染している子ども(142名)、ケマラート郡・ナーターン郡におけるカラオケ・バーで働くラオス人移住労働者も含む性産業従事者(約150名)、ケマラート郡・ナーターン郡・ポーサイ郡の男性同性愛者(約50名)、地域の住民(約5000人)である。活動の目指す成果および活動内容は以下のとおりである。

<目指す成果および活動内容>

【成果1】HIV陽性者、男性同性愛者、性産業従事者の医療サービスへのアクセス向上

【活動】HIV陽性者の定例会運営支援、HIV陽性者リーダーによるHIV陽性者へのカウンセリング支援、ケマラート郡病院におけるSTI(Sexually Transmitted Infections性感染症)/HIV検診の促進と調整、病院と共同でモバイルクリニック実施、性産業従事者対象のHIV予防啓発のためのワークショップ開催、病院関係者および地域関係者との会議運営支援

【成果2】当事者グループ(HIV陽性者、男性同性愛者)をサポートするグループリーダーの能力強化

【活動】リーダー育成研修(HIV陽性者、男性同性愛者)の実施、男性同性愛者グループリーダーによるHIV/AIDS活動の運営支援、教材作成

【成果3】HIV陽性者、男性同性愛者、性産業従事者の「セルフケア」の実践普及

【活動】HIV陽性者リーダーによるHIV陽性者への家庭訪問支援、男性同性愛者リーダーによる男性同性愛者への家庭訪問支援、性感染症予防ツールの配布、エイズキャンペーンの運営支援

本事業は前シェア・タイ事務所であるHEALTH AND SHARE FOUNDATION(以下、HSF)と共同で事業を実施する。

上記事業を実施していくための助成金の申請を希望する。

【社会へ向けて】

タイは中進国入りしたと言われている一方、タイ農村地域と都会の経済格差および医療格差は未だ深刻な状況である。特にタイの中で最も貧しいと言われている東北部では、未だに働き盛りの年代はバンコクなどの都会に出稼ぎに出ている。出稼ぎ先から戻ってきたパートナーからHIVに感染する女性が多く、子どもも母子感染や何らかの影響を受けている。1990年代はエイズを発症した患者に対して、村の中で深刻な差別があったことから、シェアは1994年からタイ東北部でHIV/AIDS対策の活動を実施し、HIV陽性者自助グループや村の関係者を巻き込みながら、村全体でエイズ問題を取り組み、HIV陽性者の健康促進の成功事例を残してきた。

現在HIV陽性者が50万人いるとされ、2003年からタイ政府により無料で抗HIV薬が提供され、タイでは国を挙げてエイズの課題に取り組んでいる。一方で、抗HIV薬の服薬の難しさ、貧しさや、交通網の不備、間違った情報により病院へアクセスできず孤立しているHIV陽性者、家族の理解不足、HIVにより両親を失ってしまった子どもへのケア、HIV/AIDSへ対する偏見や差別など多くの問題が未だに存在している。その結果、正しい治療へアクセスできず、エイズを発症し命を失ってしまうケースが後を絶たない。

またタイ公衆衛生省からHIVに感染する危険性が高いグループとして、男性同性愛者、移住労働者、10代の若者への重点的な働きかけが求められ、当会は2008年より、新規対象者として男性同性愛者、ラオス人移住労働者を含む性産業従事者に対してHIV予防啓発活動を実施してきた。

シェアはプライマリ・ヘルス・ケアの理念に基づいて、当事者グループの自立を目指して、HIV陽性者リーダー・男性同性愛者リーダーを育成し、リーダーが中心に活動を運営できるようにサポートしている。そして活動対象者が自らの健康の大切さを認識し行動変容ができることを目指して、参加型のアプローチで活動を実施している。また将来地域の健康課題を担っていく地域関係者を巻き込み、連携しながら本事業を実施している。

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