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あんのん基金

平成27年3月10日

特定非営利活動法人 幼い難民を考える会

特定非営利活動法人 幼い難民を考える会

団体名:特定非営利活動法人 幼い難民を考える会

事業名:プノンペン・スラム「トロピエンスバイ小学校」への給食支援

支援金額:40万円(27年3月)

【団体紹介】

幼い難民を考える会(CYR)は、戦乱により難民となったカンボジアの子どもたちが懸命に生きようとする姿に触発され、1980年に設立されました。子どもたちが心身ともに健全に成長し、また、その保護者が人間らしい生活環境で自立できることが、難民を出さない平和な社会につながることを信じ、活動を続けています。国内では、2011年3月に発生した東日本大震災を受け、主として宮城県と福島県で保育支援活動を行いました。長引く避難生活を送る幼い子どもたちが、安心・安全に楽しく過ごせる保育環境の確保と、保育支援を通じて保護者と保育者の生活再建に協力することを目的に活動しています。

【活動内容】

<カンボジア> 

カオイダン難民キャンプ(タイ)でキャンプが閉鎖する1993年まで活動し、カンボジア国内では、1991年より農村、都市スラム、支援が届きにくい、へき地の州にある保育所や公立の幼稚園で活動しています。

○保育支援: 給食の支給、保育者に対する能力向上のための研修実施、独自の遊具や教材の開発・製作・配布、保護者への育児・栄養・保健衛生アドバイス、短時間保育を行う地域幼稚園の運営(協力)

○女性の自立支援: 経済的自立のための織物技術、染め物技術研修、伝統織物技術の継承

<日 本> 

現在は特に、福島県において、知的遊具・教材の寄贈、運営支援(費用援助:備品調達・おやつや安全な飲料水等購入費などの環境整備費)、保育アドバイスなど

【支援事業について】

・対象と内容:プノンペンのスラムにある「トロピエンスバイ小学校」(5歳児クラスも含む)の子どもたち720名を対象に、朝給食(朝ごはんのお粥)と補助給食(ゆで卵・豆乳など)を提供します。朝ごはんは週5回、おかゆに卵、肉や魚、野菜等の副食を添え、健康に配慮した高栄養なメニューを提供します。補助給食も月1回提供し、栄養状態改善を目指します。朝ごはん・補助給食ともに、年間10ヶ月(夏休暇2か月)実施します。

・期待される効果:スラムでは十分な現金収入がない家庭が多く、朝ごはんを食べられない子どもが大勢い

ます。給食を提供することで、子どもたちの栄養状態改善、出席率の向上、より勉強に集中できるという効

果が期待されます。また、給食を通して行う栄養教育により、子どもたちの食べ物・栄養に関する知識の増進、

実践に役立つとともに、食前・食後には手洗いと片付けを行うなど、保健・衛生指導にも効果が期待されます。

また、給食の準備や片付けを各クラスで行い、子どもたちが協力して楽しく食事をするなど、チームワーク作り・

役割分担の指導にもつながっています。

【社会へ向けて】

プノンペン・スラムにあるトロピエンスバイ村住民の多くは他のスラムから強制撤去された人々であり、そこには1日の生活費が1ドル程度という貧困ライン以下の生活をする人々が大勢住んでいます。そのため、小学校に通う子どもの多くが朝ごはんはもちろん、十分な食事を摂ることができず、慢性的な栄養失調状態です。子どもたちの健やかな成長を支えるため、そしてより多くの子どもたちに小学校で勉強してもらうため、当会では2007年より朝ごはんの提供を開始しました。

トロピエンスバイ小学校では、給食の提供をきっかけに生徒数が増え、出席率も向上しました。2014年11月現在約720名の子どもたちが在籍しており、午前と午後のクラスに分かれ、二部制の授業を行っています。高栄養な給食を提供することは、子どもたちの成長を支えるだけでなく、子どもたちにとって学校に通う大切なきっかけとなっています。カンボジアでは、経済的な理由や家の仕事の手伝いをするなどの理由から、学校に通えない子どもが多くいます。本事業は子どもが学校教育を受けるきっかけとなり、ひいては貧困の削減や将来のカンボジア社会作りを担い、参画する大人を育てることにもつながっています。そのため、トロピエンスバイ村、またカンボジア社会全体にとっても重要な事業であると考えます。

さらに、国連ミレニアム開発目標・2015年の到達目標には貧困・飢餓の撲滅、普遍的初等教育の達成、乳幼児死亡率の削減、スラム居住者の生活改善などが挙げられています。本事業の給食提供も、この到達目標達成の一端を担うものであるとも考え、取り組んでいます。

 

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