ホーム > 活動 > あんのん基金 > 私の、僕の、ストーリーを絵本に」 フィリピンの貧困地区の子どもたちが、自分の痛みや辛さを言葉や絵で表現する力をつけるプロジェクト

あんのん基金

令和元年9月

私の、僕の、ストーリーを絵本に」 フィリピンの貧困地区の子どもたちが、自分の痛みや辛さを言葉や絵で表現する力をつけるプロジェクト

認定NPO法人アクセス-共生社会をめざす地球市民の会

https://access-jp.org

団体名:認定NPO法人アクセス-共生社会をめざす地球市民の会

事業名:「私の、僕の、ストーリーを絵本に」

     フィリピンの貧困地区の子どもたちが、自分の痛みや辛さを言葉や絵で表現する力をつけるプロジェクト

支援金額:20万円(2019年9月)

フィリピン実習2019

【団体紹介】

当会は、日本とアジアの市民の相互交流、相互理解、相互支援の事業を行ない、市民のネットワークを組織することによって、貧困から解放され、人権が尊重され、平和が達成されるアジアを創り出すことに寄与することを目的とし、1988年から活動しています。

フィリピン実習2019

【活動内容】

貧しい人々のエンパワメントをミッションとして掲げ、現在はフィリピンの貧困地区において教育、生計支援など貧しい住民のニーズに対応するプログラムを実施する中で、住民に対する教育・研修サービスを提供し、住民自身がプログラム/組織の運営をおこなう力、互いに協力し合いながら自分たちの抱える問題を自分たちで解決する力を身につけてもらえるよう活動しています。

また、日本国内においても、スタディツアーや啓発事業、フェアトレード事業を行い、日本の市民が互いに協力し合いながら、またフィリピンの貧しい人々と協力し合いながら、フィリピンの貧困問題を市民一人一人の力で解決することができるようになることをめざしています。

文房具配布 (1)

【支援事業について】

本事業は、フィリピン・ケソン州アラバット島ペレーズ地区の貧しい家庭の小学生200名(当会の奨学生)を対象にして実施し、次の3点を目標としています。

  1.   事業対象となる子どもたちが、ストーリーを語る力、ストーリーを絵で表現する力を高めることで、自分たちの抱える諸問題を表現できるようになること。
  2.   子どもたちが、自分たちが抱える諸問題を表現し発信することを、肯定され、励まされることで、「声をあげてもいいんだ」と自信をもてるようになること。
  3.   子どもたちの実話に基づくストーリーと絵で表現したメッセージを3冊の本にして配布することで、地域の人々がより自分事として子どもの権利侵害を受け止め、子どもの権利意識が高まる。と同時に、家庭・学校・地域において子どもたちが抱える問題が認識されるようになり、以降の改善の手がかりとなること。

具体的には、以下の活動を行います。

○子どもの権利の基礎を学ぶ講演およびオリエンテーション。

子どもたち・保護者の子どもの権利意識の向上を目的として、子どものための活動をしている他のNGOから講師を招聘し、全ての保護者・奨学生を三つの地域に分けて、「子どもの福祉法」と「子どもの権利」についての講演・討論を行う。

○土曜日補習授業・ワークショップ:

子どもたちの家がある15の集落ごとに、月2回、土曜日に各2時間の補習授業を実施している。この補習授業中に、子どもたち一人一人が自分たちの抱える問題(子どもの権利侵害に関わるもの)をストーリーにして発表し、それを絵で表現するワークショップを行う。

○本の編集・印刷:

担当スタッフと編集者が、ストーリーと絵を三冊の本として完成させるために、内容・構成の確認と校正を行い、各200部印刷する。

○事業の振り返り:

子どもたちが本事業への参加を通じて自分の何が一番変化したのかを自己評価してもらう。

○本の発表会:

保護者・教員・村と町の議会の役員を対象に本の発表会を開催する。その際、他のNGOから講師を招聘して、フィリピンの子どもたちが置かれている状況についての講演を行い、子どもの権利保護に向けた参加者の意識の向上をめざす。

CEDA保護者会セミナー

【社会へ向けて】

今回ご支援いただく事業は、上記アラバット島ペレーズ町の8つの村15の集落で実施します。ペレーズ町は人口約12000人、14の村からなっている。主な産業はココナッツと零細漁業で、大土地所有制のもと、小作人は収穫の6割から7割を地主に収めなければなりません。小作人にもなれない最底辺の人たちは素潜り等の零細漁業に従事し、漁のできない時期は臨時の仕事をしながら日当を得てその日暮らしの生活を余儀なくされます。現金収入は不安定で、季節的に飢えにさらされる人たちもいます。

当会では、事業実施地において2009年から小学生を対象とした奨学金プログラムを実施してきました。この奨学金プログラムの目的は、①経済的な理由から子どもを学校に通わせることが難しい家庭の児童に初等教育を受ける機会を提供すること、②奨学生会・保護者会を組織し、彼らが主体となって健康な家族生活と子どもに優しいコミュニティを建設すること、これらを通じて地域の子どもたちの権利と福祉を実現することです。

就学支援を行う中で、しつけと称して子どもたちに対する体罰や言葉の暴力が頻繁に行われている現状を知りました。そこで、保護者や奨学生に対して子どもの権利に関するセミナー等を実施し、意識の向上を図るとともに、子どもを取り巻く環境改善に向け村議会への働きかけを行ってきました。

こうした活動により、事業を実施している8つの村では小学校に通えない子どもがほぼいなくなり、子どもの4つの権利(生きる・育つ・守られる・参加する)のうち、幼児に対する予防接種の実施や家庭における体罰や言葉の暴力の減少など「生きる」権利・「育つ」権利は一定の改善が図られてきました。

他方、学校でのいじめや、保護者による放置・虐待・性的暴力・児童労働などにさらされている子どもたちが依然として存在し、子どもたちが声を上げる機会も保障されていません。少なくない子どもたちが、自分の辛い経験や想い・考えを、自信をもって表現し、発信することができないでいます。性的暴行を受けた子ども自身が、「これは話してはいけないこと」と心に秘めてしまうケースもあれば、子どもも親も地域の人も「家計が貧しいから働くのは当たり前だ」と考え児童労働が容認されてしまうといった事例もあります。勇気をだして「先生から殴られた」と保護者に打ち明けても、教員や役場担当者、村役員の権利意識が低いため、適切な対応をしてもらえないこともしばしばです。

本事業は、子どもたちが自分自身の気持ち(悲しい、辛い、怖いなど)に気づき、自らの権利を認識し、それらを表現して大人に伝え、助けを求める力を伸ばしていくことをめざしています。また、子どもたちが表現したものを本にして家庭・学校・地域の人々に伝えることで、子どもたちが抱える問題を認識してもらい、次の取り組みへとつなげます。

perez保護者かい