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あんのん基金

令和3年6月

モザンビーク共和国スラムの学び舎・寺子屋のテロに際する避難場所の設置

一般社団法人モザンビークのいのちをつなぐ会

団体名: 一般社団法人モザンビークのいのちをつなぐ会

事業名:モザンビーク共和国スラムの学び舎・寺子屋のテロに際する避難場所の設置

実施期間:2021年2月1日〜2021年6月15日

支援金額:15万円

 

【団体の紹介】

世界の10%を占める貧困層がいのちの尊厳及び人間の尊厳を守り、自律創造的に生活できる世界に向けて活動する。(世界の貧困層:世界銀行2018年10月)アフリカ・モザンビーク共和国から活動をスタートする。

最貧困国の中でも貧困度が高く、支援の手が行き届いていないモザンビーク共和国カーボデルガド州において、モザンビーク人によるモザンビークのQOL向上に貢献する活動を展開。

教育活動:スラム地区の子どもたちの知的好奇心を育て、なりたい未来を掴むサポート

⇒スラムの学び舎・寺子屋の建築運営、モザンビーク事務局と寺子屋にて子どもを中心とした毎日の教育活動、奨学金サポート

公衆衛生・水環境活動:危機的な水不足の解消とコレラ等細菌感染症の低減

⇒子ども公衆衛生活動、ペンバ環境美化活動、井戸とトイレの建築、環境と公衆衛生と栄養の学び舎・コメルトの建築運営

食育・農業活動:栄養失調率の低減

⇒食べられる緑化活動、欠食児童への配食活動、有機農業(米・野菜)実践活動

防災活動:気候変動の影響による自然災害のリスク低減

⇒防災連絡網と防災マニュアルの整備、避難場所及び食糧備蓄倉庫の整備

緊急支援活動:かけがえない命を守る

⇒テロ攻撃被災地域への食糧・衣料・浄水器支援、自然災害発生時の食糧・建材・衣料支援

国際相互理解推進活動:国際問題や文化への興味喚起と理解推進

⇒日本と欧州における国際相互理解推進のための音楽と文化イベントの実施

 

【事業の目的】

イスラム過激派のテロが深刻化するにも関わらず、不可視化されるモザンビーク共和国カーボデルガド州の貧困層のいのちを守り、安寧への行動をとる。

 

【活動内容】

避難場所・ナンプラ寺子屋の設置

 

【対象】

イスラム過激派の攻撃により、モザンビーク共和国カーボデルガド州ペンバの寺子屋および事務所周辺から避難人たち(キャパシティ:150名)。

 

【背景と現状】

■国内でも貧困率が最も高い地域に位置する、モザンビークのいのちをつなぐ会。

モザンビーク共和国カーボデルガド州はかつてより「忘れられた州」と呼ばれており社会投資が行われてこなかったが天然ガス開発により一挙に注目を浴びるも、政策改善は行われず、貧困率が最も低い州のままである。

■日本も参入する天然ガス開発を背景にイスラム過激派の攻撃が激化。

日本も参入する天然ガス開発を背景に2019年からイスラム過激派のテロが激化。3000名以上が殺され、70万人が避難民となり、当会事務局のある州都ペンバに、17万人以上の避難民が流入。

当会のスラムの学び舎・寺子屋にも避難民から食料提供や住まいの相談が増えている。

※申請時よりも死者数、避難民数、ペンバへの避難民流入数が増加。

・2021年4月には、天然ガス開発施設周辺での攻撃により、ガス開発関係に従事する白人も殺され、ガス開発主要企業であるフランスのTotal社が事業の一時中止を決定。

これにより、州都ペンバでも事業を休止する企業も増加し、失業率がさらに増加。

食糧難も一層深刻化している。

■草の根の直接支援でないと、貧困者に支援が届かない事実。

なお先進国による開発により発生する/問題化するネガティブな事態の伏線回収として、国連や日本を含む開発国から多額の支援金が後進国に投入されているが、残念ながら、スラムの住民たちのもとに国際支援が届くことはほとんどないのが現状である。

グローバル資本主義の「支援・開発」をモチーフにした、マネタイズ化が拡大しており、間接的な支援は、実際に現地に届かない場合もあり、現地主体となった「直接支援」が重要である。

■グローバルキャピタルの相対としての「不可視化され支援もされない土地」の代表例ともいえる、この地域で活動を行う草の根NGOは当会のみである。

 

【成果】

ペンバからの避難民を受け入れられる、ナンプラ寺子屋が完成し、稼働している。

●約150名まで受入可能。

●常駐スタッフ2名(子どもたちの世話、食事、教育)

 

【避難場所であるナンプラ寺子屋の現在の状況(2021年6月15日現在)】

・ペンバ事務局周辺の子どもたち9名が、ナンプラ寺子屋に疎開し、ナンプラ州の公立学校に通いはじめた。

・これまで15名の子どもたちを受け入れ。

・寝食の世話、教育を行い、長期間滞在する子どもは、ナンプラの公立学校に通えるように手続きを行う。

・ペンバへのテロ攻撃が今のところ発生しておらず、攻撃の噂が立つときに、ペンバの家庭が子どもだけをナンプラ寺子屋に疎開させるケースが多い。一定期間で、ペンバの家族のもとへ戻っている。

 

【今後の課題】

・移動手段(車両)の確保

ペンバの治安状況が悪いときに、ナンプラ寺子屋に、子どもを疎開させるケースが主になっているが移動手段が乗り合いバスしかなく、ペンバと寺子屋の疎開する子どもたちを運ぶ、車両の確保が喫緊の課題となっている。

また、国連等の国際機関が、地元のトラックを高額を払い、押さえてしまっており、一般住民が物資や人の輸送にトラックを使うことが困難になっている。コミュニティの一般住民が利用できるトラックの確保も計画する。

・子どもたちの食費の確保

現在は、助成金や寄付金がついていないため、食費は当会が捻出しているが、ナンプラ寺子屋に疎開する人数が増えた場合の食費確保のために、寄付金を募るなどの広報戦略の強化が必要。

 

【支援額の使途】

いただいた助成金は、次の内容にそって、大切に活用させていただきます。

・ナンプラ避難場所(寺子屋ナンプラ)の土地購入

・資材運搬用のバイクの購入

・通信費(インターネットと電話)

ナンプラ州ナンプラは泥棒や強盗が多いので、防犯機能が高く8部屋ある大きな建屋を整備

 

外からの侵入リスクが低い外観

 

契約時に関わった人たちとの写真

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