平成26年8月8日
コンゴ民主共和国東部南キブ州における緊急人道支援事業
団体名:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
事業名:コンゴ民主共和国東部南キブ州における緊急人道支援事業
支援金額:35万円(26年8月)
【団体紹介】
「すべての生命が安心して生活できる社会の実現(=世界平和の実現)」を目的に活動を行っています。国内外での事業を通して、人々に『次世代に対する責任』を啓発し、それぞれが個人、家庭人、社会人、そして地球市民として、未来の子どもたちの生活をも視野に入れた生活を実践することを提案しています。また、「一人ひとりには未来を創る力がある」という活動理念の下、国内外での紛争被害者や被災者への支援を行うにあたって、受益者(地域)の脆弱性だけに着目するのではなく、個人(対象地域)の持つ多様な力や可能性に着目することを重視しています。
【活動内容】
「地雷」、「小型武器」、「子ども兵」という3つの課題に対して、被害地域での国際協力事業と同時に、国内での啓発・提言活動を行うことによって、課題の解決を目指す活動を行っています。活動地域は、カンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ブルンジ、日本の6カ国です。設立以来、カンボジアでの地雷除去支援、女性義肢装具士の育成、地雷埋設地域村落開発支援、地雷回避教育、ラオスでのクラスター爆弾不発弾除去支援、学校建設、ウガンダやコンゴ民主共和国での元子ども兵の社会復帰支援、紛争被害者の自立支援、不法小型武器問題の啓発活動を行っており、2013年よりブルンジ共和国にて、元子ども兵や紛争被害者など社会的弱者のための自立支援センターの建設を開始しました。
日本国内では、平和教育や政策提言、啓発キャンペーン、岩手県大槌町を拠点に東日本大震災復興支援活動にも取り組んでいます。
【支援事業について】
2014年6月、コンゴ民主共和国南キブ州のウビラ行政区、ムラルレ地区において、一般市民が犠牲となる虐殺が発生し、38名が殺害され、20名が負傷(内、10名は重体)した。被害者の中には子ども、女性、妊娠中の女性が多く含まれており、民家や教会の中で銃殺、刺殺、または焼き殺された(地元の評議員によると、少なくとも女性14名と子ども10名が含まれている)。
同地域では武装勢力による略奪や襲撃が以前から発生していたが、今回の大規模な住民への殺害行為により、同地区の住民ら約4800家族が近隣の村や町に避難を余儀なくされている。また、この虐殺の直接的なきっかけは家畜の奪い合いだとも伝えられているが、一過性のものではなく、隣国のブルンジやルワンダなど周辺国の武装グループと関わりを持ち、長年にわたる複雑な紛争構造の中で発生していると考えられる。そのため、報復も含めて、今後の治安悪化が懸念されている。このような状況から、現地に派遣されている国連平和維持群(MONUSCO)や政府機関が避難民の対応を行っているが、十分な支援は行き届かず、避難民は親戚や友人を頼って拡散している状況で(もともと混乱が続いている同地において)避難民を特定することに時間を要している。
同州を拠点に活動している当会のコンゴ事務所職員からの報告によると、虐殺から3週間が経過した現在でも、ほとんどの避難民への衣食住を満たす為の支援は届けられていない状況にある。
当会では、2007年から同州で活動を続けてきた人脈を活かして、政府機関らとも協調しながらムラルレ地区から避難している住民への緊急支援物資の配布を実施する。同事業では現地の治安状況を鑑みながら、南キブ州の州都ブカブ市の当会現地事務所を拠点に、現地職員が他機関と調整のもと、物資の調達、輸送、配布を実施することとする。
【社会へ向けて】
コンゴでは2002年末に和平合意が締結された後も、東部地域の北キブ州や南キブ州では、断続的に紛争が継続している。同事業の実施地域である南キブ州はコンゴ紛争の火蓋を切った場所でもあり、内戦中1万人の子どもが徴兵された地域でもあり、現在も多くの住民が武装グループの襲撃や食料の略奪に怯えながら生活を送っている。当会のこれまでの事業においても、住民が避難を強いられることが何度も発生している(テラ・ルネッサンスHP参照http://www.terra-r.jp/contents/index.php?itemid=135&catid=18)。
今回、南キブ州のムラルレ地区で発生した虐殺では、多くの女性や子どもが無差別もしくは標的になり殺害されただけでなく、同地区の住民は、治安の悪化を恐れ、ほぼ村ごと(4800家族)が近隣に避難を強いられ、基本的ニーズにアクセスできない状況にある。このような紛争下で安全と安心が脅かされた人々に対する緊急支援は急務かつ、重要であると言える。
同地域の人々が持続的に安定した生活を再建していく為には、短期的な人道支援だけではなく、住民たちが自ら自立していくための長期的なサポートが不可欠であるが、現時点においては緊急支援をいち早く実施する必要があり、そのことにより一人でも多くの人々の安全を確保することが重要であると考えている。
コンゴ紛争では、第二次世界大戦以降、世界最大の犠牲者数(540万人)が発生したが、そのうちの90%以上は治安の悪化に伴い基本的ニーズにアクセスできず、予防・治療可能な病気や感染症など間接的な要因で死亡している。これほど甚大な人的被害に拡大したのは、「忘れられた紛争」と揶揄されるように、国際社会からの関心が集まらず、十分な援助が行き届かなかったことが一因である。
今回の虐殺行為も、同様に、ほとんど報道がなされておらず、このような世界中のメディアに取り上げられない中でも、苦しんでいる人々に対する援助を届けることは、「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざす当会のビジョンと理念にとっても大きな意義であると考えている。

