じつは身近な仏教用語

縁起

【えんぎ】

【s:pratītya-samutpāda】

一般的には「縁起が良い、悪い」など、幸不幸の前兆的な意味や、寺社仏閣や仏像などの由来や沿革を指す言葉として用いられます。
しかし本来の意味は、仏教の重要な教説を指す言葉です。
私たちの苦しみには原因があり、その原因を消滅させる事で苦しみが消える、といった生きる上で生じる〈苦〉の原因や条件を追求し解き明かしたものが〈縁起〉です。
仏教では、日常で生じる〈怒り〉〈不安〉〈猜疑心〉などなど、それら全てを〈苦〉と表現します。
その〈苦〉の原因には〈無明〉が存在します。〈無明〉とは自己中心性と言います。
自分の事しか見えていない、視野が狭い状態ですね。
この状態から何か行動を起こしたり、発言をしたり、思考すると、巡り巡って〈苦〉が生まれる。
〈無明〉→〈苦〉
一方〈無明〉を抑え、他者への共感性、慈悲を持つことで、結果的に〈苦〉を滅する事ができる、この考えが〈縁起〉です。
〈無明〉×→〈苦〉×
〈縁起〉は発展段階や時代により様々な表現がなされますが、一番シンプルな表現をすると下記のようになります。
「此れ生ずるが故に彼れ生ず、此れ滅するが故に彼れ滅す。」

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