じつは身近な仏教用語

大黒天

【だいこくてん】

【s: Mahākāla】

〈大黒天神〉とも.またサンスクリット語の音写で〈摩訶迦羅(まかから)〉とも呼ばれます。
元々は自在天(じざいてん)の化身で軍神,戦闘神,富貴爵禄の神,また堂舎食厨の神とされます。
室町期に入ると大国主命(おおくにぬしのみこと)の民俗信仰と結合して微笑の相が加わり,江戸期になると米俵上に坐立する福相となり、陽気なおじさんの風貌になります。
原語のMahākāla(マハーカーラ)はmahā〈大いなる、立派な〉とkāla〈黒い、時〉という言葉の合成語です。Kālaは〈作る・行う〉という言葉から生まれた言葉で、死という意味も含みます。インドにおいて〈時間を区切る、作る〉と言いますと〈死〉を意味します。
そのような意味合いから、冒頭の通り、インドにおいては〈死を司る神・軍神〉として信仰を集めていました。陽気なおじさんのイメージとは少し違って見えるかもしれませんね。

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