じつは身近な仏教用語

持戒

【じかい】

【s:sīla】

戒を持つ、というとルールを守るという意味にとれますが、原語の「シーラ」は“習慣性”を意味する言葉です。自分にとって良い習慣を身につける、というのが持戒の意味です。

“良い習慣を身につける”というと当たり前に聞こえますが、仏教ではとても大切にしています。

それは、「戒(習慣)が自分を守る鎧になる」という考え方があるからです。

たとえば、寝る前に必ず歯磨きをする、という習慣を持っているとします。

ある時、飲み会から帰ってきて、疲れてるし面倒だからそのまま寝たい!と考えても、日常の習慣が後押しをして歯磨きをサボる事を止めてくれます。

良い習慣を身につけていると、悪い方向にココロが引っ張られるのを引き止め、考える時間を与えてくれます。これが日常生活のなかで、怠けや自己中心的になるココロから、自分を守ってくれる鎧になるという意味です。

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