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法華経と共に生きる人々

お題目に生きる

公開日時:2021/01/20

大切なのは地縁・血縁・「電縁」

縁は大切 深めることはもっと大切

「みんなが世話をやいてくれて色々なことを教えてくれるんだよ」と笑顔で話すのは、静岡市M寺の檀徒・M・Aさん。長きにわたりM寺の総代、社会にあっては郵便局長や社会福祉協議会理事などを歴任し、名実ともに地域の名士。誰に対しても物腰柔らかく、多くの人から慕われている好人物だ。

お題目との縁が深まったのは50年前。当時、寺の役員だった父親が亡くなり、その後を引き継ぎ寺の世話人となったことがきっかけだった。寺での行事や勉強会に率先参加し、身延山輪番奉仕などで信仰の心地よさを養っていった。「右も左も分からなかったが、縁のあった皆さんのおかげで何とか今日までやってこられた。信仰の力は大きな支えになりました。何より、お寺の行事や仕事はやっていて気持ちがいいんだよ」とにこやかに語る。

A家は元々、鉄鋼業を営んでいたが、父親の代からは郵便局長として地域の発展に努めてきた。これは地域事業の公共施設誘致として特定郵便局を建てる際、父親がその人柄を見込まれて、郵便局長に推挙されたことを縁とする。

M・Aさんは家業の鉄鋼業を目指し学んでいたが、地域のためにと志を新たに進路変更し郵政の学習に励んだ。昭和52年、亡くなった父親から郵便局長を引き継ぎ、手探りながらも多くの人に支えられて、大きい事業も乗り越えてきた。様々な人との関わりの中で自分が生かされていることを実感したという。取材中に気が付いたことは、関わった人たちの名前がすべて出てくること。M・Aさんが1人ひとりとの関わりを大切にしていた証なのだろう。

郵便局長を引退した今では、社会福祉にも尽力した経験を活かし、たびたび講演の依頼がくる。講演のテーマは、信仰生活から学んだ「縁」のこと。人は縁のなかで、生き、活かされている。そして私たちを取り巻く縁は、地縁(地域・社会による繋がり)、血縁(親戚関係)に加え、「電縁」だという。

電縁とはいわゆるインターネットを通じた縁のことである。ネット社会の拡大により新しいコミュニティとして確立されている時代だからこそ生まれた言葉であろう。繋がりの形やきっかけは変化しても、縁は大切に育んでいけば必ず自らの助けとなる。「郵便」という、人と人の縁を繋ぐ仕事に関わってきたM・Aさんだからこそ、聞く人を納得させる「ご縁」の話ができる。合わせて仏教を通じて学んだ「ご縁」を交えたトークは聞く人に感銘を与える。「変わっていく時代の中にあって、変えてはならないことの大切さを訴えていきたい。縁、すなわち繋がることは大切だが、その縁をさらに深いものに育てることがより大切なのだ」と語る。

M・Aさんにとって信仰とは心の大きな支え。お題目とは、多くの良き人たちに巡り合わせてくれる縁運び、そして縁を深めてくれるキーワードのようだ。

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