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法華経と共に生きる人々

お題目に生きる

公開日時:2021/07/20

子・孫もお経覚えて感謝の日々

お盆には家族が集まり亡き妻へともにお経を唱える

「子どもや孫そして亡き妻には本当に感謝しています」と話すのは、広島市E寺の檀徒のN・Kさん(74)。

今年、E寺とその周辺で毎年6月に開催される「T大祭」を主催する祭礼委員会の会長に就任した。就任にあたり、「この祭りは400年以上続く伝統行事であり、地域を代表する祭りだと思っている。会長というご縁をいただき、その伝統を引き継いでいけるよう頑張りたい」と意気込みを語る。

Kさんがお題目との縁が深まったのは、Kさんの最愛の妻・Cさんを亡くした平成21年からである。60歳で定年を迎えるまで、地元自動車メーカーの協力会社で車両のパーツの開発を担当し、生産現場では指揮を執るなどの業務をしていた。高度経済成長期には人手不足から広島では、いち早くペルーやブラジルなどから人材を連れてくるなど、海外出張にも精力的に動いた。会社員時代は、土日もなく毎日働き、家庭のことはすべて妻に任せており、子どもに対しても何もできなかった。

Kさんも60歳で定年を迎えて、第2の人生を歩もうとした矢先、妻のCさんが60歳の若さで他界した。その時、支えてくれたのが子どもたちだった。子どもたちは結婚などで実家を離れており、独り身になったKさんを心配した2人の娘が代わる代わる毎日欠かさず食事を運んでくれ、他県に住んでいた息子も広島に帰ってきてくれた。

Kさんのお題目の信仰は毎日の勤行に始まり、お寺の年中行事への手伝い参加なども熱心に取り組んでいる。先述のお祭りでの活動に加え、さまざまな場面でのKさんの行動力やその姿勢に周囲からの信頼も厚い。Kさんは、「お題目でできた縁を大切に有り難い時間を過ごせていると」語る。

会社勤めの時代は、家族と関わることができなかったが、今は子どもや多くの孫たちと奥さんの分もと多くの時間を過ごしている。正月に始まり、年間を通じて定期的に集まることを欠かさず、親族が集まってくれる。地元・広島東洋カープの熱心なファンであるKさんは家族のために入手困難なチケットを毎年手に入れている。孫と行く野球観戦は何よりの幸せな時間だそうだ。8月のお盆の時期には、自宅の仏壇に家族が集まり、住職とともにお経を唱える。孫たちもお経を覚えてくれて、一生懸命にお勤めしてくれる。「こうやって家族と大切な時間が過ごせるのは掛けがえのないことだ」とKさん。これは他ならぬKさんの人にやさしく誰からも好かれる人柄によるものであり、Kさん自身が縁を作っているとも言えるのではないだろうか。

亡き奥さんと今もともに生きているKさんは、今後も家族の笑顔と共にお題目を通じて愛に満ちた人生を歩んで行くことだろう。

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