法華経と共に生きる人々

お題目に生きる

公開日時:2021/08/20

山形51カ寺巡り達成

住職と二人三脚で歩んでお寺を元気にしたい

日蓮聖人降誕800年の慶事を迎えるにあたり、山形県宗務所では『山形県五十一ヶ寺巡り 御首題帳』を発刊した。見開きの右側に寺院の寺院の住所・電話・地図・沿革が配され、左側がご朱印をいただくご首題が揮毫されている。県内の寺院参拝を促すことを目的に作成されたものだ。

ところが悪いことに、この『御首題帳』の作成時に起こったのが新型コロナウイルスの蔓延。県内の移動さえ懸念される事態となってしまった。そんな中、感染対策を万全にして、この『御首題帳』と掛け軸を持って3ヵ月ほどで51ヵ寺全参拝を果たした人がいる。新庄市M寺総代のK・Kさん(82)だ。

Kさんは従兄弟のK・Aさん(73)や息子のHさん(52)とともに全51ヵ寺を巡った。「事故にも遭わず全ヵ寺の参拝ができたのは、ご加護があったからでしょう。たくさんのお寺から良き縁をいただき、楽しみながらのお寺参りは、いい思い出であり私の信仰の財産です」と微笑む。そのKさんが残念に思うのは、全体の5分の1ほどの寺院が代務住職寺院で、地図を頼りに訪ねても誰もいなかったことだ。

Kさんが残念がるのには理由がある。菩提寺のM寺は昨年12月にT住職が就任するまで、3年ほど代務住職寺院だった。代務住職はM寺のために頑張ってくれたが、やはり住職が常駐していないお寺は淋しかった。「T住職の就任は本当に嬉しかった」と語る。

Kさんの夢は、M寺を活気あふれるお寺にすることだ。そのためには常駐する住職が必須。「いかんせん田舎のことだから、檀家を増やしていくことはなかなか難しいが、信徒なら増やしていける。実際、T住職が入ってから参拝する人は増えている」と話す。そして「檀信徒と住職が二人三脚で歩めば、小さくても賑わいあるお寺に変わっていくことができる。お寺が元気になれば地域全体も元気になるはず」と力が込もる。

同寺の檀家になったのは父親の代から。はじめは信仰が何であるかがわからなかったが、年齢とともに信仰心を持つことの有り難さに目覚めていったという。そんなKさんをT住職は「行動力、信仰心とも一番。次世代に信仰心がしっかり受け継がれていて檀信徒のお手本のような存在」と評する。一緒に51ヵ寺を巡ったように、息子のHさんにも信仰が継承されている。親子で身延山や小湊などの霊跡を詣でたりもした。住職が語るように、まさに行動と信仰の人だ。「コロナが一段落したら全国の本山すべてを息子と巡ってみたい」と意気軒昂。この人なら必ず成し遂げてくれることだろう。

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