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宗務院からのお知らせ

宗務院

2026.10.09

第4回 いのちに合掌 写真コンテスト入選作品発表

第4回
いのちに合掌 写真コンテスト
入選作品発表

〝いのち〟のあたたかみ感じる作品ばかり
光岡総長らが宗務院で審査

令和5年から始まったこの「いのちに合掌」写真コンテストも第4回目を迎えました。約160点もの応募ではじまった第1回から、だんだんと応募が増え、今回は約230点(87人)もの応募をいただきました。ご応募いただき、ありがとうございました。審査は9月15日に東京都大田区の日蓮宗宗務院で行われました。

最優秀賞には大分市の佐々木智浩さんの作品「はじめてのぬくもり」が選ばれました。おめでとうございます。

審査をした光岡潮慶宗務総長は「あたたかみのある作品ばかりで優しい気持ちにさせてくれました。これは皆さんが思い描く〝いのち〟があたたかいものだからだと感じました」と絶賛していました。また鶏内泰寛伝道部長は「〝いのち〟のあたたかみ・継続・はかなさと重み、敬い合い手を取り合うような合掌の日々を写真の一刹那に込められていました」と評していました。

 

総評―作品のレベル格段にあがる


写真家・鹿野貴司

今回は応募数の増加もさることながら、作品のレベルがこれまでより格段に上がりました。

そのため審査会では「あれもいい」「これもいい」と活発な意見が交わされました。入賞作品8点を絞り込むのは至難の業で、選外にも他の写真コンテストであれば入選する力のある作品がたくさんありました。ご応募いただいた皆さまに、審査員を代表して厚く御礼申し上げます。

最優秀賞の佐々木さんは他の作品もすばらしかったのですが、光の美しさや構図、表情など写真的な要素も考慮し、この1点を選ばせていただきました。

また親子を題材にした応募作品が多く、それゆえ上位3点も親子を写した作品が占めることとなりました。光岡潮慶宗務総長をはじめとする(もちろん私も含む)審査員一同、親子の絆こそいのちの源であるということ。また他作品との相対評価ではなく、純粋にいい写真を選ぶという共通認識により、このような結果となりました。

私個人は仕事でも作品でも人物を撮影することが多く、審査では心温まるスナップを楽しく拝見しました。一方で七面山をライフワークにもしており、草木にも魂が宿るという日本古来の考え方を大切にしています。入賞作品「命輝く」のような、自然の息吹を感じる作品も次回はたくさん応募いただけるとうれしいです。

鹿野貴司氏=写真家。1974年東京都生まれ。多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるほか、ドキュメンタリー作品を制作している。現在は、七面山敬慎院のYouTube制作にも携わる。『甦る五重塔 身延山久遠寺』『感應の霊峰 七面山』などの写真集を出版。著書に『いい写真を撮る100の方法』(玄光社刊)。またカメラ雑誌や同系のウェブサイトにレビュー記事などを執筆している。

 

写真コンテスト入選作品


最優秀賞 「はじめてのぬくもり」

応募者: 大分県大分市 佐々木智浩さん

応募者コメント:
第一子が誕生して小さな体から伝わるぬくもりに、いのちの尊さを感じました。その瞬間、自然と手を合わせていました。

鹿野貴司氏のコメント:
お食い初めでしょうか。左から差し込む柔らかい光が、赤ちゃんの笑顔、そしてお母さんの優しい表情を包み込んでいます。さらに手前に写っているおじいさんかおばあさんでしょうか。お箸を持つ右手とお椀を持つ左手が重要な脇役として、しっかり効いています。3世代がしっかり入ることで、状況はもちろんですが、その場の温かい空気も伝わってきました。満場一致で最優秀賞です。


優秀賞 「家族愛」

応募者: 兵庫県加古川市 明野敏行さん

応募者コメント:
コウノトリのペアがヒナ鳥に餌を与える姿は私たち人間社会とも共通の愛情を感じます。

鹿野貴司氏のコメント:
コウノトリの巣とのことですが、お土産をくわえて帰ってきた親鳥はもちろん、その親を待っていた雛鳥もしっかりと写っています。言葉はなくても親子の絆を感じさせる写真です。応募票にはご年齢が書かれていたのですが、重たい600㍉の超望遠レンズでこの瞬間を捉える技量や腕力に感服しました。


優秀賞 「あたたかいね」

応募者: 神奈川県伊勢原市 高津弘人さん

応募者コメント:
ひよこってあたたかいね、と発した娘の言葉が印象的でした。

鹿野貴司氏のコメント:
応募作品のモチーフとして「親子」と「動物」が多かったのですが、その両方がミックスして素晴らしい作品になりました。アップ気味の写真ですが、左上にボケて写っている木漏れ日が、心地よい奥行き感をつくっています。服装から想像すると肌寒い時期かと思いますが、ぬくもりが感じられる1枚です。


入賞 「見守るもの」

応募者: 京都府京丹波町 正岡希美さん

応募者コメント:
限界集落と称されるこの地域で、ただ1人の未成年として育つ娘には、地域の皆さまだけでなく、ご先祖さまにも護られていることをいつも伝えています。

鹿野貴司氏のコメント:
限界集落とのことですが、近年は暮らし方や働き方の変化でUターンやIターンも増えているそうです。今はお地蔵さまが娘さんを見守っていますが、数十年後には娘さんがお地蔵さまを護る立場になるかもしれません。成長とともにその姿をぜひ写真に収めて下さい。


入賞 「寄り添う心」

応募者: 富山県高岡市 東句美子さん

応募者コメント:
厳しさのなかに優しさやぬくもりが感じられた。

鹿野貴司氏のコメント:
なぜかとても気になる……。審査会でそんな意見が集まりました。左は先生なのかお母さんなのか、慈悲にあふれた表情です。背景の荒涼とした海や、少し傾いた向こう岸が写真のスパイスになっているように感じました。


入賞 「生きた夏の証し」

応募者: 三重県名張市 上杉裕昭さん

応募者コメント:
セミの抜け殻です。僅か1~2週間ほどの命。鳴き声で一生懸命、生きている証しを残します。

鹿野貴司氏のコメント:
蝉の命は、はかなさの例えにも用いられますが、その裏側には土の中で過ごす数年間があります。そんな小さなドラマをビジュアルで印象的に表現しています。自然光かフラッシュかわかりませんが、光を巧みに生かした秀作です。


入賞 「命輝く」

応募者: 兵庫県朝来市 井上信行さん

応募者コメント:
巨木と言われる力ツラの木はその多くが主幹が朽ち、ひこばえが主幹に代わり育ち、大きな樹になります。姿を変えてもなお、生き続けます。太陽を画面に入れ、長春の賛歌を表現しました。

鹿野貴司氏のコメント:
コメントにある通り、カツラの木は世代交代を繰り返していくのだそうです。影になったその幹と、隙間から差し込む光が、いいコントラストを描いています。緑一色で木々の香りが漂ってきそうな写真です。


入賞 「いただきます」

応募者: 北海道札幌市 山内崇司さん

応募者コメント:
エゾリスがクルミの実を食べようとしているところです。「いただきます」と合掌しているように思えました。

鹿野貴司氏のコメント:
審査会で「まさにいのちに合掌を体現した1枚」という意見がありましたが、同感です。本能のまま行動していると考えられている動物にも、感謝の気持ちがあるのかもしれない。この1枚からそんなことを思いました。

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