宗務院
2015.01.01
宗務総長 新年挨拶
宗務総長新年挨拶 平成二十七年
平成二十七年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
今年の干支(えと)は乙(きのと)未(ひつじ)ですが、乙は様々な抵抗がありましても信念をもって物事を進めることで事が成就する、未は羊であり、古代から善き物であり、家族に安泰や平和をもたらす目出度い印(しるし)とされてきました。皆様のご家族におかれましても、今年も平和でご多幸でありますようにご祈念申し上げます。
新年を迎え、全国の僧侶と檀信徒の皆様と共に、身延山に総登詣して、宗祖日蓮大聖人のみ心にふれて誓い新たに、その信解体得された法華経とお題目の信仰を弘め、安穏な社会が実現するように、全力で取り組んでまいります。
東日本大震災から四年が経ちますが、まだまだ復興への道程は遠く、津波と原発事故による東北三県の避難生活者は二十六万人に及び、特に福島県内では二万八千人以上が仮設住宅暮らしの中で、残留放射能の不安や帰還の悩みを抱えております。国や県の復興援助の促進が求められますが、一日も早い復興をお祈りするとともに、宗門もできる限り寄り添ってまいりたいと考えております。
しかし、日本では昨年も、広島県土砂災害や御嶽山噴火などの自然災害によって多くの方々の命が犠牲となっております。改めて犠牲者へのお悔やみと被災者にお見舞を申し上げます。
さて世界各地では自然災害のほか、戦争、紛争やテロリズムによって、尊い人命が次々と奪われております。こうした世界や日本の中で「いのち」が失われる中でこそ、「いのち」の大切さや立正平和を掲げて行動して行くことが大切と考えます。
今日、宗門は「立正安国・お題目結縁運動」において、「敬いの心で安穏な社会づくり、人づくり」を目標とし、「いのちに合掌」をスローガンに掲げ、宗門運動を推進しております。その基本精神は、宗祖が「不軽菩薩は所見の人において仏身を見る」と説かれましたように、法華経の常不軽菩薩品の「私はあなた方を深く敬います」という但行礼拝であります。但行礼拝のお姿は、私達人間の「いのち」の大切さ尊さを説き、合掌を実践されているものであります。
この但行礼拝の精神をもって現代に仏国土としての「安穏な社会」を作り、「立正安国」を実現するため、実効ある宗門運動を展開するとともに、時代の変化に柔軟に対応し、未来を切り拓いていく活力ある宗門作りに取り組んで参ります。
ことに本年三月までは第二期「育成活動」の最後の年として総括し、次の第三期の開花活動の始動することが重要であります。
平成三十三年の宗祖御降誕八百年は、五十年に一度の大切な慶事であり、立正安国・お題目結縁運動の結実としてお迎えするものであります。私は一昨年、宗務総長に選任されましてから内局一同と共に、全身全霊で取り組み、まもなくその結果を全宗門に向けて発表致し、ご協力をお願いする所存であります。
なお、本年は終戦七十周年に当たりますので、宗門として戦没者の追善供養と世界立正平和祈願法要の準備に万全を期してまいります。
宗祖は常に「人の振る舞い」を強調しておられます。僧侶は勿論、檀信徒の皆様お一人おひとりが、ご家庭の中で、人々の中で「いのち」に合掌することを実践し、お題目を縁として、心豊かに安穏な社会に向かった歩みを願いまして、新春のご挨拶と致します。
合掌
平成二十七年新春
日蓮宗宗務総長 小林順光