日蓮宗メールマガジン8月号
【今月の法話】
蝉時雨を浴びる前に草むらから虫の音が聞こえてしまった。今年の夏も何かおかしいと痛感する。さた、地獄の釜の蓋は狂いなく開くのであろうか。
赤く染まったほおずきを行灯に見立て闇夜を燈す。早くこちらにいらっしゃいとキュウリの馬が走る。お帰りは名残惜しいのであろう、ナスの牛がゆっくりと戻っていく。
飾り方やいわれは、それぞれの土地で微妙に違ってくるものだ。例えば、ご先祖さまは馬に乗り、後ろに土産物を乗せた牛を引き連れてくる。帰りも牛に供物を乗せて戻らせるとか。また、牛馬の背に茹でたそうめんを掛け手綱にしたり。どちらにせよ、迎える側の心遣いである。
反対にこのような話を聞いた。「ご先祖さまはナスの牛でゆっくり帰ってきて、キュウリの馬で早く戻る。」牛馬の役割が反対なのだ。一瞬、腑に落ちなかったのだが、すぐ納得してしまうものがあった。
今までの風習は、こちら本位である。ご先祖さまが、「あちらの世も過ごしやすいけれど、折角用意をしてくれのだから、そちらに参ろうか。」とゆっくりといらっしゃるのも結構ではないか。また、「少し、長居した。心配もあるが、みんなもなんとかやっているから、早くあちらに帰るよ。」と急がれるのも、子孫としてはもっと結構な話ではないか。
こちらで生きているものは、ご先祖さまが安心できるように日々勤めなければならない。そして、あちらで安心し、居心地がよいように法事や供養のあり方を常に心掛けねばならないはずだ。
【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部です。今月の予定は…
5日 月例金曜講話(講師:蓑輪顕量師)
15日 千鳥ヶ淵戦没者慰霊法要
13日~15日 宗務院休業
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