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日蓮宗メールマガジン10月号

【今月の法話】

これは最近の話。

とある僧侶たちの研修会での一コマ。

一生懸命に修行をしていられるということで、有難いことに供養の品が沢山上がる。

ところが、時間も胃袋もパンパンで食べきれないのだ。

そこで修行者の一人が指導者に「もったいないので、冷凍保存してもらえませんか。」といったそうだ。そこには、何とも言葉には表現しにくい指導者たちの落胆があった。

返答は次のようだ。「昔、お釈迦さまの時代は僧侶が物をプール(蓄え)することを禁じた。なぜなら、物が腐りやすい気候なので食中毒を防ぐこと。もう一つは、今日生きていく分だけを頂くということ。明日の分は明日、托鉢をして頂く。なぜなら、物にも気持ちにも余裕を持たせることが怠慢につながるからである。」

そのようなことを言っても、今は何でもプールの時代である。仕事も金銭も食料もはたまた人間関係も、保険にも似た蓄えが山のようにある。

私たちは、自分を守って導いてくれる師匠や親はいつまでもいてくれると思いがちだ。急なことで大事な人を失い掛けたり、本当に失ってしまった時の後悔の念は重い。もっとこうしてあげれば良かったという思いが走馬灯のように走る。
ではなぜ、常日頃心掛けないのであろうか。それは凡人であるから、ということでしかない。日常というものは当たり前すぎて流されやすく、迷いがちなものである。

そのような私たちを哀れみ、仏様はお姿を消される。喉が渇き必死で水を求めるような行為にも似た心境を忘れないようにと、教えて下さっているのだ。

先ほどの冷凍保存の話だが、己を安じてくれる有難さにどのように応えるか。とりあえずストックしておけば良いという考えのギャップが上手に埋まらない。

仏様は何とおっしゃるであろうか。さっと、物を消されるかもしれない。心を研ぎ澄ませよと。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部です。今月の予定は…
7日 月例金曜講話(講師:東孝信師)
13日 御会式

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