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日蓮宗メールマガジン1月号

【今月の法話】

〜近頃は冬なのに〜

近頃は冬なのに、夏の入道雲かと思うような大きな雲が浮かんでいることが多い。西の空、モクモクと湧き上がりそうな大雲に入り日が差し込むと、もしかしたら龍が渦を巻いているのかもしれないと見入ることがある。

昨年11月、ブータンのワンチュク国王ご夫妻が東日本大震災の被災地を訪問された。その中で福島県相馬市の小学生達とふれあう様子を記憶されている方も多いであろう。お話された内容を要約させてもらうと、「私(国王)は龍をみたことがある。龍は心の中に存在している。龍は何を食べているかというと、経験なのである。自分自身をコントロールし、自分の龍を育てなさい。人は経験を積み重ねて強くなる。」と励まされた。

痛手な経験は忘れ難いものである。ただ、同じような思いを受けてしまった人を想いやれる心を持っていることに違いはない。しかし、とりあえず経験してみなければわからないと、己だけでなく相手の身までも危険に晒すようなことをやるか否かの議論をしている人たちがいた。体験と経験を取り違えているのだ。経験は、身を持って体験したことが、なんらかの形で豊かな生活の礎となるものでなければならない。だからといって、大そうな事をしなければならないわけではないはずだ。

日々の積み重ねが、ある時を境に特別なことに変化していることがある。その「ある時」は私たちには計れない。ただ、大難に遭った時に乗り越えられる通行手形となることがあるのだ。

こういう人もいる。積み重ねが大事だといって、お題目を何遍唱えた、一日に水を何回かぶった、山を年何回登ったと数を競うこと。これは、自慢と勝敗を決めることであるから得がたい経験とはならない。経験を積み重ねる上で、信仰の基底となるものは、立ちはだかる壁をどうのように越えるかの手段を教えてもらうのではない。見守っていて下さるという信念を保つ意思である。

保ち難し・・・しかし、それが「南無」帰依することに通ずる。新年を迎えるにあたって、難処が多いが己の心を育てて活きたい。

【お知らせ】

日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。
10日(火)宗務院御用始め
13日(金)身延山御頭講会