日蓮宗メールマガジン2月号
【今月の法話】
〜のきしのぶ〜
五年くらい前に倒れた梅の古木に、艶のない細長い緑の葉が五本ほど伸びていた。
雑草かと摘まもうかと思いきや、細長く丸まった内側には、シダ植物特有の胞子嚢が一列に並んでいた。
その名は「のきしのぶ」。根は深く這わず、樹皮などに着くことが多い。細長い葉を垂らし、猛暑が続けば水分を失なわないように葉を丸め、乾燥期にあっても同様の対処をする。あとは、太陽の光を存分に浴びる為に丸まった葉を広げる。軒下に生え忍ぶ様に見えることから、「軒忍」とも書くらしい。古くは「しだくさ」で万葉集に詠われている。
非常に地味な風体だが、探してみると案外あちらこちらに生えているのだ。古く苔生した水路にへばり付き、水草のように葉を流れにまかせたり、楠木の割れ目から葉を垂らし、着実にその数を増やしている。驚きなのは、枯れた梅の木に何年も間借りしていることである。相手から養分を吸収する必要もなく、這わせるわずかなスペースと日の光でしのいで生きていける。
花もなく、実を熟す事もないが、細い葉に雪が積もったたたずまいは、忍ぶというより、美しい。
そのような生き方、つまらない・・・というより、詰まるところを知っていることに価値を置きたい。先行きが見通せない不安の時代に、大衆に何が受けるかと頭を捻るのも一策。
先人たちが築き上げてきた生活の糧を保ち続けることも必策。その時流によって化けない価値観はもっと必要。分をわきまえ、地道に生きている人が傍にいますか。それがあなたの財産かもしれません。
【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。
3日(金)月例金曜講話 「デクノボーになろう!」吉家本浄師
10日(金)日蓮宗大荒行堂成満会
15日(水)釈尊涅槃会
16日(木) 宗祖降誕会 ※宗務院休業