ホーム>日蓮宗メールマガジン>日蓮宗メールマガジン1月号

過去のメールマガジン

日蓮宗メールマガジン1月号

「此経難持坂と女坂」

先日、めっきり足腰が弱くなった母と電車で4時間。日蓮宗大本山、池上本門寺に参拝。本門寺は日蓮大聖人様がご入滅され荼毘(だび)にふされた地で、建治2年(1276年)信徒であった池上宗仲の邸内に創建されたとされている。
母「本門寺さんにお参りさせてもらえるの、嬉しいわ。」
二人で立派な総門をくぐると、母は一変
母「…上まで行ってお参りできないかも。」
と自信なさげ。なぜなら、正面に此経難持坂と呼ばれる96段の石積階段の参道。
此経難持坂は熱心な法華経信者で築城家としても有名な加藤清正公が、母の第7回忌の追善供養の為に祖師堂建立寄進と併せて慶長11年(1606年)に築造。加藤清正公の篤い法華経、お題目信心の思いを今に伝えるものである。
しかし、きつい階段で、上からは手すりを持ってゆっくり下りてこられる参拝者。
私「無理せずに、ここからお参りさせてもらう?」
母「そうね、ここからでも思いは仏様、日蓮大聖人様に届くものね。」
手を合わせ、ふと右横を見ると木立の蔭に緩やかなスロープ(女坂)があり目でたどってみると上まで続いている。
私「お母さん、この道ならいけるんじゃない?」
ゆっくり上り、上り切ったところには大聖人様の大きなご尊像。
母「こんなに楽に上がらせてもらえる道があったのね。知らなかった。ありがたい。南無妙法蓮華経。」
坂の名前にもなっている此経難持。妙法蓮華経、見宝塔品第11の末文に「此経難持」から始まる96文字の宝塔偈がある。ここには、法華経を本当に理解し、信心を持(たも)ち続けることは難しい。しかし、少しでも持(たも)ったならば、お釈迦様やたくさんの仏様がお喜びになられ、法華経を持(たも)つ人を必ず守ってくださると説かれている。
女坂は、母と私、そして本門寺に参拝に来られた方々の法華経、お題目の信心に仏様が用意してくださった道である。仏様が私たちのそばに寄り添い、お守りくださり、御手を差し伸べてくださっていることをしみじみと感じ、感謝の気持ちでいっぱいになった。合掌

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

1日 日持上人会
8日 宗務院業務開始
10日 御用始め
13日 身延山御年頭会
21日 日朗上人会
28日 いのりの日