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日蓮宗メールマガジン4月号

「東京オリンピック・パラリンピック」

延期となった東京オリンピック・パラリンピック。今年7月24日から8月9日まで東京を中心に各地で開催される予定だった。

毎回選手たちの真剣なまなざしと必死に競技へ取り組む姿に心を動かされる。

私は、選手が競技の後に、コーチや支えてくださった人たちの元に駆け寄り、抱き合い、共に涙を流している姿に思わずもらい泣きをしてしまう。それは、選手や選手を支えてきた方々の今までの心労や苦労に共感するからだ。

1988年ソウルオリンピック100メートル背泳ぎ金メダリスト、鈴木大地さんは「オリンピアン・ストーリー」の中で「1ランク上に行く時には、挫折も必要。経験を通して沸き上がる多種多様な感情こそが、人を作り育てる。トレーニングは修行である。真剣に修行を積み重ねているうちに新たな事を学び、新しい気づきがあり、それが次の目標につながっていく」と語っている。

私たち誰もが、生きていく中で出来れば挫折は味わいたくはない。苦しく、つらく、悲しい思いをしたくはないが、しかし、私たちの目標である「仏に成る」ためにもこの感情は大切なのだ。この感情が私たちの仏心(ほとけごころ)を大きく成長させてくれる。

妙法蓮華経如来寿量品第十六には

「常に悲感ひかんを懐いだいて、心遂ついに醒しょう悟ごし」とある。これは「人間は心を痛め、涙を流すほどの大きな出来事にぶつかって初めて目が覚め、心の迷いがはれる。」という意味だ。

仏様を意味する「ブッダ」は「目覚める」という意味がある。仏に成るためには心の目を覚まさせなければならない。それには、心を痛め、涙を流すことも必要なのだ。

日蓮大聖人様は、色々な苦難に巡り合った時、それをどう受け止めるかをご信者様に宛てたお手紙の中で

「この世でうける苦難は過去の世で行った悪い行いによるもの。しかし、妙法蓮華経を信じ、お題目を唱えれば、それらによる報いを軽くして、その罪も消すことができる。未来の世では仏様の悟りを得ることも出来る」

とおっしゃられている。

挫折等の出来事は、私たちの目標である「仏に成る」ための心のスイッチを入れてくれる。そして、お題目と共に生きることで、心に受ける悲しみ、苦しみ、辛さが生きる力に変わっていく。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

8日 釈尊降誕会(花まつり)
28日 立教開宗会