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日蓮宗メールマガジン9月号

「お彼岸は修行週間」

九月と三月にはお彼岸があります。

お彼岸とは、煩悩に満ちた私たちが住んでいる世界、此岸(しがん)を離れて修行を積むことで煩悩を脱し、悟りの世界、彼の岸に到達するという意味があります。

仏教では、悟りの世界を彼岸(ひがん)といい、その反対側の私たちがいる迷いや煩悩に満ちた世界を此岸(しがん)と言います。昼と夜の長さがほぼ同じ長さになる秋分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考え、お墓参りをして先祖供養をするようになったのが「お彼岸」です。しかし今年は、新型コロナウイルスの影響もあり、里帰りをしてお墓参りに行くことも難しくなっています。

お彼岸には、ご先祖様へご供養するだけでなく、私たち自身が仏道修行を実践する一週間でもあります。

悟りの世界に至るための六つの修行方法を紹介したいと思います。

1、布施 (ふせ)…財や心を人に施すこと

2、持戒 (じかい)…約束、決まり事を守ること

3、忍辱 (にんにく)…我慢をし、不平不満を言わないこと

4、精進 (しょうじん)…努力をおしまず、全力を尽くすこと

5、禅定 (ぜんじょう)…心を静かに保つこと

6、智慧 (ちえ)…正しい判断力を身につける為、学ぶこと

この六つの修行を仏教では六波羅蜜(ろくはらみつ)と呼びます。

頭で分かっていても、日常生活ではなかなか意識しないと実践できないことかと思います。

お彼岸の期間、七日間のうちの六日間は一日一つずつでもいいので、六波羅蜜を実践し、お彼岸の中日にはご先祖様への感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

そして、悟りの世界「彼岸」を目指し少しでも歩みを進めてまいりましょう。

しかしながら、六つすべてを実行するのは難しくなかなか達成することはできません。

実は、日蓮聖人が「彼岸鈔」という御遺文の中で次のような言葉を遺しておられます。

「春秋の彼岸七日のうちに、一善小行わずかでも、この(六波羅蜜の)一つを行うことができれば、他の時節に大行を行うと同じくらいの大菩提に至る。」と説かれています。

どんなに小さな善いことでもお彼岸の期間に行うことによって、大きな功徳を得ることができると仰られています。

今年は、里帰りをしてお墓参りをすることが難しい、こんな時期だからこそ、お彼岸という貴重な一週間、六波羅蜜の中の一つ、自分のできることを行ってみてください。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

12日 龍口法難会
17日 日親上人会
18日 池上御入山
19日 彼岸入り
22日 秋季彼岸中日
25日 彼岸明け
28日 いのりの日