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日蓮宗メールマガジン3月号

「病は自分にとっての必要な時間」

新型コロナウイルスが世界中に流行し始めて、一年がすぎました。 中国で新型のウイルスが蔓延していると聞いたとき、まさか世界中に流行し、 自分自身のすぐそばまでせまってくるとは考えもしていませんでした。
新型コロナウイルスに限らず、日々の生活を送っていれば時には、風邪を引いてしまったり、 自分では健康管理に気を遣っているつもりでも、大きな病を罹ってしまうこともあると思います。
私自身、幼い頃は、季節の変わり目になると決まって風邪を引き、時にはただの風邪だから大丈夫と油断し、中々咳が治まらず、病院でレントゲンを撮ってみると肺に影が出来ていて、10日間ほど入院していました。自分自身、自己管理が出来ていないのだとつくづく思っていました。そして、こんなに身体の弱い自分のことが大変情けなく感じていました。
5年ほど前の話ですが、ある方にお話を聞く機会がありました。その方は1年間に何度も病気になられてしまったそうです。しかし、その方は、病気になったことに対して「これは自分を振り返るための時間を与えていただいたということである」とおっしゃっていました。

日蓮聖人も、大変重い病を罹っている夫を抱えている妙心尼という方に書かれたお手紙(妙心尼御前御返事)の中で『病によりて道心はをこり候ふか。』と申されております。 病気に悩むことによって仏のような心が生まれる。人に感謝をする気持ちを持つことが出来るようになると申されております。

私も、幼い頃の入院してきた生活を振り返ってみると、やはりお見舞いに来てくれる方、いろんな人に迷惑をかけてはいますが、それと同時に自分の日頃の行いを振り返るための時間をくれたのだと、そして人の優しさに触れることができるので、色々な人に感謝の気持ちを持つことだ、と分かりました。
なかなか病気になって感謝をするということは難しいことであると思います。しかし、これは自分が仏様のような心を持てるようにするための修行である、とても感謝をするべき時間であるとおっしゃっています。 どうして私がこんな病にかからなければならないのか、と思い詰めるのではなく、 自分にとって必要な時間を与えられているのだと考えてみて下さい。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

8日 日頂上人会
16日 道善御房忌
17日 彼岸入り
20日 春季彼岸中日
23日 彼岸明け
26日 日昭上人会
28日 いのりの日