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日蓮宗メールマガジン5月号

『父母の恩』

今年は5月9日が母の日、6月20日が父の日です。

これからお話するのは、私がまだ中学生になる前の話です。
私は5人兄弟の一番上で、家からいち早く離れました。
その理由は、一番上だからと父や母から弟や妹たちが
良くないことをしていたら「一番上なんだからもっとしっかりしなさい」
と言われていたからです。

家から離れ、県外の寮が併設されている学校へ行きました。離れたばかりのころ、やっぱり両親は一番上の私のことなどどうでもいいのだ、やはり大切になど思われていない。と感じていました。

なれない寮生活が始まり、自分の部屋の掃除や洗濯など今までやってきたことない
事ばかりをこなしながらふと母の有り難さに気がつきます。

法華経の第十三番目のお経『勧持品』には、三類の強敵、三種類の強い敵がでてきます。
そのうちの一つである道門増上慢とは、本当は知らないのに、自分は知っていると思い込み、おごり高ぶる者のことで、次のような言葉で、説かれています。
『未だ得ざるをこれ得たりと謂(おも)い』
このお経文は、理解していない事でも知っているように嘘をつくとお示しになられております。

そして、日蓮聖人が残された「千日尼御前御返事」の中に、
「日蓮はうけがたくして人身をうけ、値(あ)ひがたくして仏法に値(あ)ひ奉る。一切の仏法の中に法華経に値ひまいらせて候。その恩徳(おんとく)ををもへば父母の恩・国主の恩・一切衆生の恩なり。父母の恩の中に慈父をば天に譬へ、悲母を大地に譬へたり。いづれもわけがたし。その中、悲母の大恩ことにほうじがたし。」という言葉を遺されております。

日蓮聖人は人間の身として生まれ、ありがたい仏の教えにあうことができた、しかもあらゆる教えの中でも、もっともすぐれている法華経にあえた。その恩がどれだけ重いのか、人間に生まれて法華経にあわせてくれた父母の恩、国の恩、すべての人々の恩にむくいていかなければならない。このうち、父母の恩のなかでも、父を天にたとえ母を大地にたとえている。どちらの恩が重いか、比べることはできない。とはいえ、あえていうとすれば、そのなかでも母よりうけた大きな恩はとても報いることが出来ないほど重たいと説かれています。

私は、家を離れられるから行くといっていたけれど、本当は、いつも当たり前にしてもらっていたことに感謝の気持ちをもってもらいたいという母の願いが込められていたのだと気づくことができました。
それからは、家に帰ったときにはいつも感謝の気持ちを言葉で行動でも伝えるようにしていきました。

今現在は、なかなか言葉で直接伝えるのは恥ずかしく、出来ていないことの方が多いと、この原稿を考えながら反省しました。

みなさまも、ぜひ恩について考えてみてください。
そして、母の日、父の日には感謝の言葉をかけてみてください。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

12日 伊豆法難会
28日 いのりの日