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日蓮宗メールマガジン2月号

「はじめて」の、、、パート2

8月のメールマガジンを寄稿して早半年経ちました。
8月のメールマガジンでは新米住職として、奮闘している姿を書きました。いわゆる「ちょっといい話」で締めくくったかと思います。
ですが半年経ってわかってきました。
世の中、実際は甘くないということを。
ですので今月のメールマガジンは新米住職の悪戦苦闘している姿を書きたいと思います。

昨年末12月、暦では「師走」
師(お坊さん)が走りまわるほど忙しい月と言われております。
昔のことわざのように思っておりましたが、今、思い返せばなるほどと合点がいきます。
年末調整等の税務関係、市町村への報告書、お正月の準備など一回でスマートに終わらせればよいのでしょうが、そこは新米住職。
書類の不備、準備物の買い足し等々、一回で終わるはずがありません。
何度も何度も同じところをぐるぐるぐるぐる
独楽(こま)のように回って師走が過ぎたように思います。
うまくいかないものですね。

もっと頭を悩ましていることがあります。
寺院の実態が掴めてきて解決するべき問題が山積していることでした。
その一つを挙げるとすれば、寺院設備の維持が難しくなって来ているということです。うちの寺院でいえば本堂の雨漏りの修繕費用の捻出などです。
どこの過疎地域にある寺院も同じような問題を抱えているかと思いますが、頭の痛い問題ですし、簡単な解決方法はありません。
年末に宝くじのCMを見たときに、「10億円あればお寺の屋根直せるのにな・・・」とくじを買ってもいないのに思ってしまいました。
現実逃避している暇はないのに情けないです。

一カ寺を任される住職の責任の重さをひしひしと実感している今日この頃です。
それを思えば少しずつ一人前の住職となってきているのかも知れません。
山積している問題を一つ一つ地道に解決していくよりほかに道はなさそうです。
ひたむきに一歩一歩
とは思いつつもこれから登る山の高さに足がすくんでおります。

そんな苦しいとき、辛いときにいつも励ましてくれる言葉があります。
その言葉とは毎日拝読しているお経文であったり、日蓮聖人のお言葉です。
毎日読んでいても気づかないことはあるものです。
苦しいときや辛いときにこそお経文や御遺文にふれて、仏様の教えを心の奥深くに沁み込ませるチャンスなのかもしれません。

「妙法蓮華経如来寿量品第十六」にはこのような言葉があります。

「常懐悲感(じょうえひかん) 心遂醒悟(しんずいしょうご)」
常に悲感をいだいて、心ついに醒悟す

「本当に悲しみを感じた者でなければ、悟りに目覚めることは出来ない」という意味です。
今の苦しみや辛さも仏の道へ続く大切な一歩なのではないかと思えるお経文です。
日々の読経も大切ですが、辛い時こそお経文や御遺文に触れてみてはいかがでしょうか。
きっと心に沁みる一句一偈に出会えるはずです。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

7日 日興上人会
14日 妙日尊儀忌
15日 釈尊涅槃会
16日 宗祖降誕会
28日 日什上人会・いのりの日