日蓮宗メールマガジン3月号
【今月の法話】
~仮の城~
2007年にNASAが訂正した気象データによると、最高気温年は1934年で、史上最高気温年ベスト5はすべて1930年代に集中していると伺いました。地球温暖化のピークは1930年代で今は低温化しているのだそうです。
一般常識・認識とはちょっと違う内容でびっくりしますが・・・。
そんな影響でしょうか?今年の冬は随分と雪が降ったように思います。
冬は必ず春になると申します。暑さ寒さも彼岸まで、とも。
もうすぐ先に、穏やかな季節が待っているのですね。
戦後何も無くなった時期を終え、人々が安定した生活を手にした時、何を求めたのでしょうか?
豊かさであったと思います。
「所得倍増計画」「国土改造」「高度経済成長」そして「バブル」
小さな島の国に世界のほとんどの豊かさが集まったようでした。
ちょっと品がなかったかもしれませんが(笑)。
バブルが崩壊し、自信を失って「癒し」を求めました。スピリチュアルブームで精神的なものを求める姿勢が明確になりました。
その矢先、昨年の大震災があり「絆」こそが、心の深いところから求めているもの、豊かさなのだ!と国民の多くが悟ったように思います。
法華経にはある旅をする団体のお話があります。
ある目的地を求めて旅の歩みを進める集まりがありました。
旅の初めは順調に進みましたが、長い旅路の過程において、疲れや不安・恐れからその旅を断念しようと言い始めるものが現れます。
そこで先導者のリーダーが神通力をもって仮の城を出現させ、皆の旅の疲れを癒しました。体力・気力が回復すると人は目的を思い出し、力強い一歩を踏み出せます。
「さぁ!我々は旅の途中だ。ここは居心地の良い処ではあるが目的地ではない。出発しよう!」
リーダーの声がけに促され、一行は改めて旅の一歩を踏み出しました。すると、仮の城が消え、歩みを進める道が目の前に示されています。
今までの我々はある目的地に向かう旅の途中、仮の城のなかで時を過ごしていたかのようです。
金銭的・物質的なものを求め、自分の中身ではなく、自分の所有する自分以外のものに価値を置いていたのかもしれません。
バブルの崩壊や先の災害によって失ったもの。失わなれかったもの。
改めて気づかされたこと・・・。
居心地の良い、肌触りの良いだけの仮の城を抜け出し、不安があろうとも一歩を踏み出した方々が多くいらっしゃるようです。
皆さまにとって何事にも失わざるものはなんですか?皆さまの歩まれる旅路の目的地はどのような処ですか?
勇気を持って一歩を踏みさせばこそ、穏やかな境地が訪れるものと私は思っています。
【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。
19日〜20日 宗務院休業
※今月の月例金曜講話はお休みです。
4月は通常通り開催致します。