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心の散歩道

心の散歩道

進歩のかげに謙虚さを

苦痛を除く新しい薬ができると、それに耐える病原菌が出てくるように、快適で便利な物ができると、それを悪く利用する不心得者が必ず出てきます。

携帯電話もその一つです。ハイジャックされた飛行機内と警察との連絡で犯人は逮捕され、多くの人名が救われたこともあります。あなたも便利に感じられたことがあるでしょう。私は、電話の送受信しかできませんが、携帯電話は進化し、メールが送れ、インターネットに接続できます。天気予報は勿論、電車の時刻表から食べ物屋の案内、瞬時に世界中の希望情報をも手に入れることができるそうで、驚きです。

子どもが自分の部屋を与えられ、中から鍵がかかるようにしてある家も増えています。以前は取り次いでいた電話も直接携帯にかかってくるので、どんな人達と話しているのか全く分かりませんし、部屋から出てくる回数も減り、何をしているのかも分からなくなっています。京都で、メールで知り合った女子大生が金品を奪われ、男に殺されました。殺人の道具に使われたのです。携帯が正しくさえ使われていれば、こんなことで命を落とすことはなかったでしょう。奈良でも、交際相手がやくざで、信販会社のカードを作らされ、お金を脅し取られた女性がいます。

科学の進歩で、夢想だにしなかった事が起こるようになりました。それが本来の目的に添って、正しく使われておりさえすれば問題はありません。その裏には、とんでもないこと考えている輩がいるんです。どんなに素晴らしいものができようと、思いもよらぬ落とし穴が潜んでいることを忘れないようにしましょう。そのためにも、手を合わせて拝み合い、四季おりおりの自然に目を向け、小欲知足を心がけ、人間の源を見つめるようにしましょう。