
エッ剥がれた
東京方面のお盆のお経に出かけました。普段は草履ですが、長いこと履いていない皮靴で出かけました。電車に乗るのに階段を上り下りして、日頃の数倍を歩きました。
次のお宅に伺うために、駅の階段を登っていたときに右足の靴底の異常に気が付きました。靴底が真ん中から剥がれてかかとだけがくっ付いた状態になりました。足を踏み出すと剥がれた物体が靴先から先にペタンと地面につきます。早く歩くことができなくなりました。不規則な歩き方をしているうちに、左足の方もペロンと同じように剥がれました。
足を上げないように歩いても、空間ができるとペロンと前に出ます。乗降客の流れにのれず、一人だけゆっくりと、すり足で前に進むより方法がありません。
改札を入って売店に行きチューインガムを一個買いました。電車の座席に座ると、買ったガムを多めに口に入れて、一生懸命噛みました。
改札口を出て、そろりそろりとタクシー乗り場に行き、乗り込みました。座席に座ると靴を脱ぎました。剥がれた場所にゴミなどが付いていないことを確かめて、運転手さんに気づかれないようにしながら、口の中のガムを出して、二つに分けて剥がれた靴底に押し付けました。
目的地に着き降車すると、荷物を置いて、何回も両足高く飛び上がり、アスファルトも溶けそうな暑さなので、ガムの接着力が効くことを願い、地面に靴底を踏みつけました。
剥がれる前は疲れて歩くことが嫌でしたが、今度はしっかりと大地を踏みしめて歩きました。
一日の予定が終わりました。安売りの靴屋さんに入り「ガムの粘着力」を訊ねました。「よくそんなことを考えられましたね。でも温度が下がったらどうなるか分かりませんよ」と言って、新しい靴を買わされました。
災難はいつ来るか分かりませんよ。