
お釈迦さまの楽しみ
お寺へお参りの方からご質問がありました。
「お釈迦さまは何か楽しみをお持ちだったのでしょうか?」
きっと趣味とか娯楽についてでしょうが、欲令衆のお話しをしました。
「仏さまは私たちが清い心でいられるように、仏さまの正しいものの見方を私たちにも開けるようにしてくださり、その道を示され、私たちが悟れるように、そしてその道に入れるように導いてくださるために、この世の中にお生まれになったのです。お釈迦さまの一番の楽しみは、その目標を達成なさることです」とお答えしました。
すると、あまり腑に落ちないという表情で、もう一つ質問されました。
「美味しいものを美味しいと、楽しまれることがあったのでしょうか?」
ここからは、問答になりました。
「どんな食べ物でも、美味しくお召し上がりになりました」
「でも、まずいものはまずいでしょう」
「それでは逆に、美味しいものばかりを毎日頂いていると、普通になってしまうでしょう」「…」
そこで、法華経の中の『六根清浄』についてお話しをしました。
「法華経の修行者はその功徳によって、六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)つまり、心身の働き全体が清らかになるのです。これを『六根清浄』と言います。その中の一つに、舌根清浄の功徳があります。舌の感覚が清らかになって、味のよいものも悪いものも、舌の上にのせれば、すべて最上の美味に変じることができる。と法華経の中に示されてあります。美味しい食べ物を頂くのではなく、どんな食べ物でも美味しく頂けたら良いですね」
どこかで教えていただいた言葉を加えてお話しすると、「修行のできてないワシには、ようわからんなあ…」
自分もその境地に達していないので、申し訳なく感じましたが、お伝えしたお話が、心のどこかへ残っていてくださるよう願っています。