
も~いいかい ま~だだよ その2
もう30年も前だったか俳優の丹波哲郎さんが臨死体験を映画化した「大霊界」が話題になったことがありました。医療分野でもマスメディアでも取り上げられ、世界中で研究を進める学者たちもいるようです。
私は僧侶ですので沢山のお檀家さんに引導を渡し冥土への導きをしてきました。しかし、冥土や三途の川や死後の世界の存在を自分の心の中では整理することができず半信半疑と言っては無責任かもしれませんが、疑いの思いを拭い去ることができませんでした。
死に直面され経験を持つ方々から「三途の川は一跨ぎできるほど狭かったよ。綺麗な女性がおいでおいでと。妻の呼ぶ声がして、そこで目が覚めた」
「綺麗なお花畑がどこまでも続いている草原の向こうから、私を呼ぶ声がして、『どなたですか』と返事をしようとしたら目が覚めたんですよ。もうちょっとで死出の旅路に出かけるところでしたよ」
そのような体験談を語ってくださる方々に、「嘘だよ。きっと作りごとだよ」と疑いの思いで聞いていたように思います。
昨年(2016年)12月20日、5メートルの石垣から滑落し意識朦朧のまま救急車で病院へ搬送。私も臨死体験をしました。
意識朦朧の中で「も~いいかい」「ま~だだよ」と何度も何度も誰かと会話しているのです。真っ白い霧の中で「も~いいかい」と声を掛けると霧の向こうから誰かが「ま~だだよ」と返事が返ってくるのです。17年前に先立った師父でも8年前に旅立った家内の声でもないんです。清らかな透き通ったこだまのような声でした。もし「も~いいよ」と言っていたらきっと三途の川を越えていたかもしれません。
今年になって身延山へお参りに行ってきました。西谷の御廟所 日蓮聖人のお墓の前で一人静かにお経を唱えました。生きていた喜び、ひしひしと感じます。