
おみくじ
教会からお堂の前に植えている樹木を一部伐採したいので、お経をあげて欲しいとの依頼がありました。教会と言っても、もちろんキリスト教ではなく、日蓮宗の教会(小規模寺院)です。
日取りを決めて教会に伺い、樹木の前にお供えをして読経唱題のご祈念をしました。
よく見るとその木の枝におみくじが一つくくりつけてあります。お尋ねしたところ、教会のおみくじとのこと。昨年、古くなってぼろぼろだったみくじ用紙などを全部印刷し直し、復活させたそうです。教会の中に入って見せてもらうと、明治の年号の入ったみくじ筒やみくじ箪笥があります。
今回の樹木伐採もこのおみくじを引いて、日取りややり方を決めたそうです。お檀家さんによれば「よく当たるんですよ」とのこと。
木の枝にくくりつけてあったおみくじは、お参りに来た若者が結んでいったものだそうです。
それは先日、近所で工事をしていた若者が昼休みに教会の前できょろきょろしていた時のこと。
「こんな奥まった所に立派なお堂があるんですね」と若者が言うので、檀家のAさんは「良かったらお堂の中に入りませんか」と声をかけました。若者はお堂に入るや御本尊様の前に正座して手を合わせました。Aさんは、少しやんちゃをやっていたのではないかと思える若者の、見た目と異なる振る舞いに驚きました。若者曰く「おじいちゃんが日蓮宗なんです」。
Aさんがおみくじを勧めると、若者は願いを込めて引きました。出たのは凶。「表の木に結んで帰ってもいいですか」と言うので、「構わないけど、あなた何を祈ったの」とAさんが尋ねると、若者は一言「世界平和」。「それはなかなか難しいわね」とAさんも笑ってしまいました。