心の散歩道

心の散歩道

2018年

思いを行動に

ふだん、ご自分のことは全く話されない物静かで正義感も強く、何事も前向きに取り組んでくださる総代さんが、一度だけご自分が教員をされていた頃のことをお話しくださいました。

長年、教育事務所にお勤めだった総代さんは定年まであと5年という所で、市内の大きな小学校の校長として赴任されました。しかし、大きいが故に問題も山積していました。ある不祥事により地元の方の教育に対する不信感は強く、教職員同士の関係も悪く、児童の非行も多発していました。校長として赴任された総代さんの使命は、教育の立て直しと信頼回復だったそうです。

早速、校長として総代さんは二つのことを発信します。「児童を大切にする」、そのために教職員は「研修を重視する」の2点です。そして教員の意見はどんなことでも本気で聞き、希望者の授業を参観し細かく指導を加えて行きます。

「思いは行動にしてのみ価値がある」と力説し、授業研究も盛んになり、さらに学校改革に力を注ぎます。総代さんは、校長として自主性と想像力の発揮できる学校を目指し、教員や児童に「人として人間の尊さを知り、心やさしく相手を思いやり、助け合い成長する」そんな子どもが育つ学校にしたいと思い懸命に改革を行います。

少しずつ学校は変わりました。先生の思いも一つになり、児童も活発で明るくなり、地域の方からも褒められるようにもなりました。5年の任期を終え退職の日を迎えます。多くの教職員や生徒が惜しみながら見送ってくれる中、一人の1年生の児童が「校長先生いつも楽しいお話をしてくれてありがとう、私はいつもしっかり聞いています」と手紙をくれたそうです。

一つの思いを行動に移し実を結んだお話を、優しく話してくださいました。