
マスク考
新型コロナウイルス感染の拡大によって、マスクが日常の必需品になりました。コロナ感染拡大初期には、ウイルスのサイズが非常に小さいため、マスクの効果はあまり期待できないと言われていましたが、マスクを使用した国で感染拡大防止に効果が見られたことから、状況は一変しました。感染者が咳などでウイルスを含んだ飛沫を拡散するのを防ぐのに、マスクは大変有効であることがわかり、政府が使用を薦める頃には、お店の棚からマスクが消えてしまい、ネットでは値段が10倍20倍と瞬く間に高騰しました。ついには医療従事者への供給もままならぬ状態に陥りました。まさに万事休すというところでした。
そんな時、今まで一度もマスクを作ったことのない各方面の企業がこれを見かねて、それぞれの得意な素材を生かしたマスクの生産を開始しました。また個人でも、いろいろな布を使って素敵なマスクを手作りする人が増えてきました。やっと学校が始まり、集団登校する子どもたちの顔には、色とりどりのマスクが花を咲かせています。
未知のウイルスが蔓延する不安な社会に、自分の感染を防ぐよりも他の人に移さないようにするために着用するマスクが希望をもたらしてくれそうです。
5月のお経回りをしていたら、「マスク作ったんじゃけど、どっちがいい?こっちがお姉ちゃん、こっちが私の作ったぶん。どっちか一つあげるわ」と言ってくださったり、「花粉症で買い置きしてたんだけど、会社から配布があったんで、今マスク手に入りにくいからお裾分けです」とくださったり、マスクを忘れてお檀家さんに行った時、「次のお宅に行かれるのに困られるでしょうから」と手渡してくださいました。とても暖かい気持ちをいただきました。感染防止のために、人と人との間隔が離されたり、マスクで表情が隠されてしまった今、心と心の間隔だけは密でいたいものですね。