
ひとがら映え
インスタグラムが流行っています。いわゆる写真を投稿するSNSサイトですが、見栄えのよい写真を撮ることやそのシチュエーションを意味する「インスタ映え」は、数年前から流行語にもなっています。
インスタグラムでは、簡単な設定をするだけで、スマートフォンで撮った写真をすぐにインターネット上に公開することができます。世界中の人々に自分の撮った写真を見ていただき、しかも「いいね!」という評価をもらえることから大人気です。
実は知人も最近インスタグラムを始めて、よい被写体はないかと毎日あちこち散策しています。きれいな花を見つけるとスマホでパシャリ。今のスマホは本当によくできていて、一眼レフも顔負けのきれいな写真が撮れます。
思えば写真撮影も敷居が低くなったものです。フィルムを使うわけではありませんから、写真は好きなだけたくさん撮って、いらないものはデータを削除するだけ。オートフォーカスや手ぶれ補正機能を使えば、ピンボケ写真もありません。
でも私たち僧侶は、今でも時々ピンボケ写真を見ることがあります。それは葬儀に使う故人のご遺影です。葬儀会場に故人の生前の姿としてご遺影を飾りますが、よい写真がなかなか見つからなかったのでしょうか、時としてピントの合っていない写真や手ぶれ写真を飾っているケースを見かけます。葬儀の準備は慌ただしく、時間のない中で写真を探すのは大変なことですから、無理もないことだと思います。
しかしながら、時々はっとするくらい素晴らしい写真に出会うことがあります。もちろん写真館でプロの写真家が撮影した美しい肖像写真もあります。でも素人写真でも、家族にしか見せない自然な笑顔のこぼれるかがやくような写真。その人のお人柄がにじみ出るような素敵な写真もあります。人生の年輪が作った「ひとがら映え」なんでしょうね。