心の散歩道

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2021年

文化財の保護

令和2年11月から宗門史跡妙本寺の本堂(県指定重要文化財)の屋根の葺き替え工事が始まりました。4年間の工事で令和5年秋の完成予定です。

お寺や神社の屋根替えでよく聞くのは檜皮葺や、銅板葺だと思いますが、当山の本堂の葺き替えは杮葺という葺き方で行なわれています。

杮葺の作業は、樹齢約200年の「椹」の原木を薄く手割りした板を使います。薄い板を一寸ほどの間隔で葺き重ね、竹釘で留めて順次上の方へと葺き上げていきます。当山の屋根替えにもベテランの職人さんが、竹釘を口にくわえリズム良く椹の板を一枚一枚と丁寧に打ち付け、作業を進めてくれています。

「一人前に仕事ができるようになるには最低でも10年はかかります」と言われる職人さんも若い頃は厳しく叩き込まれたそうです。「鑿といえば鎚」と言われる時代で、親方からは指導という指導は受けられず、見て学び、技を盗むようにしごかれたそうです。

文化財を修復し維持して行くには、地域の方のご協力はもちろんのことですが、原木を育てる方や職人さんの技術、目に見えない所で多くの方々の計り知れない労力があることを知りました。2020年にはこの杮葺きの技術や宮大工、左官など17の建築技術がユネスコ無形文化遺産に登録されています。

今回、数十年に一度の事業に多くの方に係わってもらえたらと思い、屋根の材料となる板に、夢や願い事を書いてもらうことにしました。お参りの方や地元の保育園の園児から小中学生、岡山市内の高校生も協力してくれました。

文化財の修復は、技術者不足や財政的なことなどで修復自体が難しくなってきているそうです。屋根板に夢や願い事を書いてもらい、皆さんの願いが叶うことと同時に、一人でも多くの方に文化財の大切さを知ってもらえたらと思います。