
仏具談義
夜も更けてくると、仏具たちが集まって、話をします。
まず初めに、線香立てが言いました「毎日、熱い線香を立てられ、たまったものではない。煙たくてむせこんでいるんだ。毎月一日は大勢のお参りの人が線香を立てるので、そりゃあ熱い。これも、仏さまのためなので我慢している。花たてさんはいいね」と言いました。
花たてが言いました「なにをおっしゃる。夏は新しい水と綺麗な花の時は、いいですよ。でもネ、水が夏場は早く腐るんですよ。その匂いはかなわんのですよ。そして、冬は氷が張り、私は破裂しないかと、心配なのです」
蝋燭たてが「新しい蝋燭はまだいいんだ。だんだん短くなると、蝋が垂れてくるんです。蝋燭たてに生まれたので我慢はしていますが、最後の芯だけになり、溶けた蠟が溜まったら地獄の苦しみです。ましてあふれて流れ落ちだしたら、体中熱くてかなわんですよ」と言いました。
打ち鳴らしが「ガンガンと最初に叩かれ、お経の初めに叩かれ、途中で叩かれ、終わりに叩かれ、叩かれるばかりで、頭がガンガンしています」と言いました。
それを聞いた木鉦が「打ち鳴らしさんそのくらいなら、我慢我慢。私はあなたのゴーンの合図で、カンカンカンと叩かれ続けるのですよ、頭が割れそうだ。早く終わりのゴーンを打って下さいよ」と言いました。
過去帳が口を開きました「私は大勢の仏さまをお抱きしています。毎日のお勤めで、その日の命日の仏さまは、お経を聞かれると、悦ばれ軽くなりますが、されないと仏さまが重くなるのです」と言いました。
仏具たちは、仏さまの供養のために、身を挺しています。綺麗にして毎日のお勤めをしましょう。