心の散歩道

心の散歩道

2022年

人生の扉

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という格言があります。桜の幹や枝をむやみに切るとその部分が衰弱してしまう、梅は余計な枝を切ってやらないと花実がつかなくなる、との意味だそうです。

境内の八重桜があまりにも交差枝が多くなったものですから、花が終わった頃に植木屋さんに剪定をお願いしました。用事で外出し、夕方帰って桜を見ますと驚くほどに切り詰めてありました。家人に聞きますと「切り口を養生すれば大丈夫だそうよ」との植木屋さんとのやり取りを伝えてくれました。果たしてどうなることか少し心配でもあります。

この桜の木は、私が住職になった年に記念に植えたもので、今年で28年になります。この年月で驚くほどに成長しました。桜の木は寿命が60年ほどといわれ、その分成長が早く、植えるときに周りとの間隔等、場所を考えないと大変なことになります。

毎年、驚くほどに美しい花を咲かせてくれますので来年もどうか無事にと、祈るばかりです。

満開の桜や 色づく山の紅葉を
この先いったい何度
見ることになるだろう

竹内まりやさんの「人生の扉」という歌の歌詞です。私も70歳を迎え、しみじみとこの歌詞が心に沁みるようになりました。この境内の桜、いつまで楽しめるのだろうかと、人生を振り返っている自分がいます。

信じられない速さで
時が過ぎ去ると知ってしまったら
どんな小さなことも
覚えていたいと心が言ったよ

と歌詞は続きますが、当に光陰矢の如しで、過ぎ去った時間はアッという間の年月だったように感じます。

これから先、どのような人生の扉があるのかわかりませんが、その一つひとつの扉を、しっかりと、大切に、丁寧に開けていけたらと心新たにしています。