心の散歩道

心の散歩道

2023年

どちらが幸せ

一郎と二郎は2人兄弟です。

兄の一郎は学業優秀で、東京の名門大学に入学しました。文武両道で、高校時代はインターハイにも出場。両親にとってまさに自慢の息子でした。

一方、弟の二郎は小学生の頃から勉強が苦手でした。高校は地元の工業高校に進学。勉強も運動もそこそこで、もっぱらゲームに没頭する高校生活を送りました。

一郎はその後も順調な大学生活を送り、卒業後は超一流企業に入社し、バリバリと働いています。一方、二郎は高校卒業後、両親のコネを活用して地元のメーカーに就職。工場勤務で日夜汗を流しています。

20代後半までは、一郎が帰省すると両親は大喜びし、周囲にも一郎のことを自慢していました。しかし、弟が結婚したことで、徐々にパワーバランスが変わり始めました。

一郎は仕事が忙しく、40歳の今に至るまで結婚していません。一方、弟にはすでに3人の子供がいます。

年末久しぶりに一郎が帰省すると、兄弟の立場が完全に逆転していることに気づきました。実家に帰ると、両親の話題はもっぱら孫のことで、一郎に関することはありませんでした。

一郎の収入は弟の倍以上ですが、東京では賃貸マンションに住み、車もありません。一方、弟は10年ほど前に一軒家を買い、車も2台持っています。

一郎は1時間の通勤ラッシュに巻き込まれ、毎日12時間近く会社にいて、夕食を自宅で食べることはありません。一方、弟の通勤時間は車で15分。毎晩自宅で家族と一緒に夕食を楽しみ、休日には家族とスポーツや買い物に出かけます。

弟は、一郎が渋谷でアイドルを見かけた話などをすると「やっぱり東京で働いている兄貴はすごいなあ」とうらやましがります。子供たちにも「兄貴みたいに勉強して東京の大学に行け」と話しているようですが、果たしてどちらが幸せなのか考えさせられます。