心の散歩道

心の散歩道

2023年

ロシナンテス

今年の4月下旬、アフリカのスーダンでの内戦により、現地に駐在していた日本人58名が避難を余儀なくされて帰国したというニュース、覚えておられるでしょうか。その避難者のうちの3名は「ロシナンテス」という北九州市に本部を置く認定NPO法人の代表・川原尚行氏と日本人スタッフ2名でした。

川原氏はお医者さんです。2002年、大使館の医務官としてスーダンに赴任されます。日本政府は当時内戦中のスーダンへの援助を停止していたため、大使館外での医療行為は許されず、スーダン人の患者さんを診ることはできませんでした。

「目の前に病んだ人がいても何もできない!」。氏は、2005年に外務省を辞して、スーダン人への医療活動を開始しました。翌年には、その活動を継続するためのNPO法人ロシナンテスを立ち上げられました。

ロシナンテスの名前は、小説「ドン・キホーテ」に出てくる痩せ馬のロシナンテに由来しています。「私たち一人ひとりは痩せ馬ロシナンテのように無力かもしれない、しかし、ロシナンテが集まりロシナンテスになれば、きっと世界を笑顔にできるはず」と。

「スーダンの人々は決して裕福ではない生活の中でも明るく懸命に生き、よそから来た人に対してとても親切に振舞ってくれます。すぐそばには広大な土地やナイル川という資源もあります。政治状況が安定さえすれば、スーダンは発展していく可能性を秘めているのです」。「今回のことはスーダンの国民には何の罪もありません。和平が実現し安全が確認された折には、再び我々もスーダンに戻り、スーダンの人々と共に復興のお手伝いができたらと考えています」と、スーダン人への熱い想いを語られます。

アフガニスタンでのNPO活動途中でなくなられた中村医師も九州大学、川原医師もしかり。素晴らしい日本人がいらっしゃるものです。