
日本一の靴磨き
東京駅の前で「靴磨き千円 パワースポット」と変わった看板を見かけました。大きなパラソルにしゃれた感じで椅子に腰掛けて靴磨きをされています。
心機一転、20数年ぶりに革靴を新調したのですが、自分で磨くのも面倒なので、靴磨きをお願いしてみました。
靴磨きをはじめて50年になる職人さん「実は靴も磨くけど絵も描くんだよ。目指すは靴磨きの巨匠なんだよ」と。聞けば、絵画は銀座三越、伊勢丹、帝国ホテルなどで個展を開かれるほどの腕前。
失礼ながら靴磨きをされなくても生活は十分できるのではと思い尋ねてみました。戦後GHQの占領下で米軍相手に母親が始めたのがきっかけで「靴磨きはうちの家業なんだよ」と。靴を磨きながらの話も面白く、次から次へと話題が尽きません。
東京駅前で靴を磨いていると様々な方が来るそうです。
「百足の靴があると、それぞれ百通りの磨き方があり、そこには百人の人生があるんだよ」と話される職人さん。磨き台の上に靴を乗せるとどこをどう磨けば綺麗になるのか。どこの部分が傷んでいるのかがすぐわかるそうです。
「ここに来て靴を磨いてあげると、みんな笑顔で帰って行くよ」と話されます。
パワースポットというだけあって、お客さんの大半は、出世して役員以上になっているそうです。出世して、運転手付きの黒塗りの車で来られるお客さんも多いそうです。
「宝くじなんか、何年買っても当たりゃしねーよ」「出世して金持ちになりたきゃー靴を磨け!って若い連中には話すんだよ」と。
靴を磨くことを面倒と思ってしまったことを反省しながら、靴磨きを通じて自分自身を磨くことの大切さを、ピカピカになった靴を見て考えさせてくれました。